なみだの季節

なみだの季節

「なみだの季節」（なみだのきせつ）は、日本の女性アイドルグループ、キャンディーズによって発表された楽曲である。1974年9月1日に、彼女たちの通算4枚目のシングルとしてリリースされた。作詞は千家和也、作曲および編曲は穂口雄右がそれぞれ手掛けた。

売上

この楽曲は、キャンディーズが解散コンサートを開催した1978年4月4日までの間に、シングル盤として累計およそ13万枚（レコード会社のCBS・ソニー調べ）を売り上げた。

楽曲構成とハーモニー

楽曲の構成に着目すると、曲の前半部分では主要なメロディーラインがソロで歌唱され、その後ろで他の二人のメンバーが二つの声部でバックコーラスを重ねている。サビの部分においては、主に三つの声部による美しいハーモニーと、三人が同じ旋律を歌うユニゾンが効果的に使用されている。ただし、キャンディーズのデビュー曲である「あなたに夢中」以来、彼女たちの楽曲の特徴の一つであった、サビで大胆にハーモニーをフィーチャーするスタイルは、この「なみだの季節」をもって一時的に中断された。

リードボーカルの変遷

また、本作はキャンディーズのメンバー構成における役割の変遷を示す重要な楽曲でもある。デビュー以来、「あなたに夢中」からこの「なみだの季節」まで、グループの中心でメインボーカルを務め、歌唱時の中央ポジションを担っていたのは田中好子（スー）であった。しかし、次作のシングルとして発表された「年下の男の子」からは、伊藤蘭（ラン）が主にメインボーカルを担当し、グループの前面に立つこととなった。この楽曲は、グループの音楽性とパフォーマンススタイルの転換期に位置づけられる一曲と言えるだろう。

テレビ出演時のパフォーマンス

テレビ番組などでこの楽曲が披露される際には、いくつかの異なるパフォーマンス形式が採用された。メンバー全員がそれぞれハンドマイクを持って歌唱するスタイル、あるいは三人が一本のスタンドマイクを囲んで歌うスタイルがあった。さらに、田中好子がハンドマイクで歌唱し、伊藤蘭と藤村美樹（ミキ）が一本のスタンドマイクを共有してコーラスを行うという、独自の構成パターンも見られた。

イントロのSE

この楽曲のイントロダクションに三度挿入される、キラキラと輝くような印象的な効果音（SE）は、リリースされたメディアによってミキシングに違いがある点が特筆される。シングル盤に収録されたバージョンでは、このSEは三回全てが左右のステレオチャンネルのいずれかに定位するようにミックスされている。それに対し、アルバム盤に収録されたバージョンでは、一度目のSEが左、二度目が右、そして三度目が中央から聞こえるように、定位が細かく調整されている。この二種類のミックスは、2008年9月3日に発売されたCD-BOX『キャンディーズ・タイムカプセル』に収められた、本作のシングル盤を模した紙ジャケット仕様の復刻盤CDに、両方とも収録されている。なお、現在市場に出回っているCDに収録されている本楽曲のカラオケ・バージョンは、シングル盤のミックスを基にしたものである。

収録曲

「なみだの季節」のシングル盤には、カップリング曲として「迷える羊」が収録されている。両楽曲ともに、作詞は千家和也、作曲および編曲は穂口雄右が担当している。

なみだの季節: 演奏時間 3分41秒
迷える羊: 演奏時間 3分15秒

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