藤村美樹

藤村美樹の音楽と人生

藤村美樹（ふじむら みき、生年1956年1月15日）は、日本の音楽界でかつて名を馳せた歌手であり、元キャンディーズのメンバーとして知られています。彼女の本名は尾身美樹（おみ みき）、旧姓は藤村です。親しみを込めて「ミキ」や「ミキちゃん」と呼ばれることもありました。

幼少期と教育

藤村は東京都世田谷区で生まれ、福島県福島市で育ちました。4人兄弟の末っ子であり、カトリックの家庭に生まれた彼女は、幼いころから音楽と密接な関係を持っていました。父親は声楽家であり、母親はピアノの教師で、音楽的な環境で成長した彼女は、特別な教育を受けることなく、自然に音楽の素養を身につけていきました。彼女の声質はハスキーボイスで、スレンダーな体型（公称身長156cm、体重40kg）も特長的でした。

音楽キャリアの始まり

藤村の音楽人生は1969年、奥多摩のキャンプ場での出会いから始まります。この場で伊藤蘭と田中好子の二人と親しくなり、歌が好きという共通点で意気投合しました。彼女たちはその後、渡辺プロダクションが運営する東京音楽学院に入学し、藤村も少し遅れて加入しました。

1972年、藤村は伊藤、田中と共にNHKの歌番組『歌謡グランドショー』のマスコットガールオーディションに合格し、キャンディーズとして活動を開始します。キャンディーズは日本の音楽シーンにおいて計り知れない影響を与えるグループとなり、彼女たちの活動は多くのファンに支持されました。この時期、藤村は主にバックコーラスを担当しつつも、音楽面ではリーダーシップを取っていました。

メインボーカルとしての活躍

キャンディーズとしてのデビュー曲「あなたに夢中」に続き、藤村は様々な楽曲でアルトパートを担当し、時には主旋律を歌うこともありました。また、解散直前には「わな」でメインボーカルを担当し、その際にはストリートの真ん中に立つ姿でも知られています。1978年4月にキャンディーズは解散しましたが、藤村はこのユニットで作詞や作曲も手掛けており、多くの楽曲を世に送り出しました。

解散後の活動と家庭の生活

キャンディーズ解散後、藤村は一時芸能活動を休止し、1983年に再び音楽界に復帰します。この時期にはソロシングル「夢・恋・人。」やLPをリリースしましたが、その後実業家の尾身善一と結婚したことで再び芸能界から身を引きます。彼女は3人の子供を設け、家庭生活を送りました。息子の尾身美詞は劇団青年座に所属しており、彼女の音楽の DNA は次の世代にも受け継がれていると言えるでしょう。

キャンディーズの絆と最後の瞬間

藤村は解散後も伊藤や田中と親しい関係を保ち続けました。2011年には田中好子の通夜に参加し、命をともにした仲間への弔辞を読んでもいます。キャンディーズ時代からの強い絆は、歌声だけでなく、人生そのものにおいても大切な意味を持っていたことでしょう。

藤村美樹の遺産

彼女は音楽に対する情熱とともに、キャンディーズの活動を通じて数々の名曲を残しました。メンバーとしてのセンスや作詞、作曲家としての実力が高く評価されていた藤村美樹は、今後も日本の音楽史に名を刻み続ける存在です。

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