なめとんか やしきたかじん誕生物語

なめとんか やしきたかじん誕生物語

『なめとんか やしきたかじん誕生物語』は、2018年11月20日に、関西テレビ(カンテレ)開局60周年記念ドラマとして関西ローカルで放送されました。伝説の歌手、やしきたかじんの波乱万丈な人生を、彼の著書や発言、関係者への取材を基に、大胆なフィクションを交えて描いた作品です。主演は、実力派俳優の駿河太郎が務めました。

ドラマの概要

本作は、たかじんの原点であるフォーク歌手時代から、人気絶頂期、そして晩年までをドラマチックに描いています。単なる伝記ドラマではなく、たかじんの人間的な魅力や音楽への情熱、周囲の人々との温かい交流を浮き彫りにした感動的な物語です。ドラマには、たかじんと親交のあったタレントや、彼が司会を務めた人気番組『たかじん胸いっぱい』のレギュラー出演者が多数出演し、作品に華を添えています。また、ナレーションをベテラン歌手の天童よしみが担当し、物語に深みを与えています。

あらすじ

物語は、1969年の関西フォーク全盛期の京都を舞台に幕を開けます。19歳の駿河太郎'>[やしきたかじん]は、歌手になることを夢見ながら、アルバイトに明け暮れる日々を送っていました。親に勘当された過去を持つたかじんにとって、バイト先のオーナーである佐々木(山口智充)は、父親のような存在でした。佐々木の紹介で祇園のクラブに出入りするようになったたかじんは、毎晩客の前で歌い、徐々に評判を高めていきます。しかし、プロへの道は険しく、結婚生活も破綻を迎えてしまいます。

自分の歌に絶対的な自信を持つたかじんは、客とのケンカが絶えず、店をクビになることもしばしばでした。そんな中、スナックで働く劇団員の高村京子(中村ゆり)に一目惚れしたたかじんは、高校時代からの親友・山崎(石田明)が書いた詞を元に、彼女のために曲を作ります。夢を追いかけ、舞台の上でひたむきに芝居をする京子の姿に、たかじんは再び情熱を取り戻します。やがて、彼の歌声はレコード会社のプロデューサー・竹中(西村和彦)の耳に届き、1976年、念願のレコードデビューを果たします。

しかし、現実は厳しく、レコードは全く売れません。起死回生をかけて佐々木が企画したコンサートも失敗に終わります。旧知の仲である祇園のクラブ店員・田村ダイスケ(大東駿介)らに励まされるも、たかじんは自暴自棄になり、レコード会社との契約も打ち切られてしまいます。失意の中、たかじんは歌手を辞めることを決意しますが、竹中は彼の才能を諦めきれず、最後のチャンスとして、大阪フェスティバルホールで開催されるコンテストに出場することを勧めます。その言葉に奮起したたかじんは、山崎に再び詞を書いてもらい、8分にも及ぶ渾身のオリジナル曲でコンテストに挑むのでした。

受賞

本作は、平成30年度文化庁芸術祭参加作品として、東京ドラマアウォード2019単発ドラマ部門で優秀賞を受賞しました。

『なめとんか やしきたかじん誕生物語』は、たかじんの音楽と人生への情熱、そして彼を支えた人々との絆を描いた、感動と勇気を与えてくれるドラマです。

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