ならず者 (アルバム)

イーグルスのセカンドアルバム『ならず者』（Desperado）は、1973年にリリースされた、西部開拓時代のアウトローをテーマにしたコンセプトアルバムです。このアルバムは、実在した無法者集団ドゥーリン＝ドルトン・ギャングの盛衰を、イーグルスのメンバーが演じる形で描いています。

アルバム制作において、グレン・フライとドン・ヘンリーのソングライティングチームが本格的に始動しました。彼らは今作から「テキーラ・サンライズ」やタイトル曲の「ならず者」といった、イーグルスの代表曲となる楽曲を次々と生み出し、このアルバム以降、バンドの主導権を握るようになりました。

タイトル曲「ならず者」は、シングルカットこそされませんでしたが（シングルカットされたのは「テキーラ・サンライズ」と「アウトロー・マン」）、リンダ・ロンシュタットやカーペンターズなど、多くのアーティストによってカバーされました。カーペンターズによるカバーは「愛は虹の色」という邦題で親しまれています。

アルバムは、ドゥーリン＝ドルトン・ギャングの物語を軸に、各楽曲が展開していきます。アルバム前半はギャングの隆盛期を描き、後半ではその衰退を描くことで、物語に深みを与えています。

収録曲

Side 1
1. ドゥーリン・ダルトン - "Doolin-Dalton" - 3:26
2. 21才 - "Twenty-One" - 2:11
3. アウト・オブ・コントロール - "Out of Control" - 3:04
4. テキーラ・サンライズ - "Tequila Sunrise" - 2:52
5. ならず者 - "Desperado" - 3:36

Side 2
1. その種の愚か者 - "Certain Kind of Fool" - 3:02
2. ドゥーリン・ダルトン（インストゥルメンタル） - "Doolin-Dalton" (Instrumental) - 0:48
3. アウトロー・マン - "Outlaw Man" - 3:34
4. サタデイ・ナイト - "Saturday Night" - 3:20
5. ビター・クリーク - "Bitter Creek" - 5:00
6. ドゥーリン・ダルトン／ならず者（リプライズ） - "Doolin-Dalton/Desperado (Reprise)" - 4:50

パーソネル

グレン・フライ (Glenn Frey) – ボーカル、ギター、キーボード、ハーモニカ
ドン・ヘンリー (Don Henley) – ボーカル、ドラム、アコースティック・ギター
バーニー・レドン (Bernie Leadon) – ボーカル、ギター、バンジョー、マンドリン、ドブロ・ギター
ランディ・マイズナー (Randy Meisner) – ボーカル、ベース

このアルバムは、イーグルスの音楽的な幅を広げただけでなく、その後の彼らの音楽性の方向性を決定づけた重要な作品と言えるでしょう。コンセプトアルバムとしての完成度も高く、ストーリー性と音楽性が見事に融合した、聴き応えのある一枚です。特に、タイトル曲「ならず者」は、そのメロディの美しさと、アウトローの孤独を描いた歌詞が、聴く人の心に深く残ります。

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