なん・なんだ

映画『なん・なんだ』解説

『なん・なんだ』は、2022年1月15日に公開された日本の映画です。監督である山嵜晋平氏が、自身の体験を基に企画した作品で、夫婦の愛と葛藤、そして人生の選択を描いています。

制作の背景

企画の発端は約10年前、山嵜監督が自殺を試みようとしていた高齢男性を止めた経験にあります。離婚によって全てを失ったその男性の半生を聞き、映画化を構想。当初はファンタジー要素を多く含んだ作品でしたが、脚本を担当した中野太氏の助言により、「死」から逃げずに現実と向き合う物語へと変更されました。山嵜監督は、この経緯について「テーマとかあんまりないですけどね（笑）」と謙遜を込めて語っています。

キャストとストーリー

結婚40年を迎える小田三郎と美智子夫婦。ある日、美智子は「文学教室に行く」と家を出ますが、その後、京都で交通事故に遭い意識不明の状態となります。病院に駆けつけた三郎は、美智子の荷物の中から古いアルバムとフィルムカメラを発見。現像された写真には見知らぬ男性が写っており、三郎は妻の浮気を疑い始めます。娘と共に写真の男性を探すうちに、三郎は妻の知らなかった一面を知り、狼狽えます。家族であっても全てを知っているわけではない、という現実に直面した時、人はどう生きるのか、どのような選択をするのかを描いた作品です。

主なキャストは以下の通りです。

小田三郎：下元史朗
小田美智子：烏丸せつこ
甲斐田一雄：佐野和宏
知美：和田光沙

演出と評価

本作は、宣伝告知を兼ねたインタビューで主演の烏丸せつこが脚本や演出を「古臭い」と批判したことで注目を集めました。しかし、少ない予算の中で尽力したスタッフへの感謝も述べており、山嵜監督も烏丸の意見を受け入れています。

映画監督の瀬々敬久は、プロデューサーを務めた映画評論家の寺脇研を称賛し、「日本映画、ピンク映画を見続けてきた寺脇研プロデューサーのケツの拭き方」という推薦コメントを寄せています。キャッチコピーは「人生5度目の青春物語」。

スタッフ

監督：山嵜晋平
企画：山嵜晋平
プロデューサー：寺脇研
脚本：中野太
音楽：下社敦郎
配給・宣伝：太秦

外部リンク

映画『なん・なんだ』公式サイト
なん・なんだ - allcinema
* なん・なんだ - KINENOTE

『なん・なんだ』は、夫婦の絆、人生の選択、そして愛とは何かを考えさせられる作品です。

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