にちりん (列車)

特急列車「にちりん」：歴史と運行状況

特急「にちりん」は、九州旅客鉄道（JR九州）が運行する特別急行列車です。九州の主要都市である福岡、大分、宮崎を結ぶ重要な交通手段として、長年にわたって運行されてきました。本記事では、「にちりん」の歴史、運行概要、停車駅、使用車両、そして派生系統である「にちりんシーガイア」や廃止された「ドリームにちりん」についても詳しく解説します。

歴史

「にちりん」の起源は1968年に博多駅と西鹿児島駅（現・鹿児島中央駅）間を結ぶ急行列車としてまで遡ります。当初は日豊本線の非電化区間のため気動車が使用されていましたが、電化区間の延伸や車両の更新を経て、485系電車、783系電車、そして現在の787系電車へと車両は進化を遂げてきました。

1975年には山陽新幹線との接続を強化するため、小倉駅での接続を重視したダイヤが組まれ、運行本数も大幅に増えました。その後、1982年には日豊本線の優等列車が「にちりん」に統一され、さらに1990年代には、新型車両の投入や大分駅発着列車の増発など、輸送力と利便性の向上が図られました。

しかし、九州自動車道の全通による高速バスの台頭や利用状況の変化により、「にちりん」の運行体系も見直されることになります。2000年代には大分駅 - 延岡駅間の廃止、博多駅発着の減少、別府駅発着の短縮・廃止などが行われ、現在は大分駅と宮崎空港駅間の輸送、そして宮崎空港へのアクセスが主要な役割となっています。それでも「ソニック」との接続により、従来からの福岡県と大分県・宮崎県間の輸送機能も一部は維持されています。

派生列車

「にちりん」には、いくつかの派生系統があります。「にちりんシーガイア」は、1993年から南宮崎駅発着の一部列車に付けられた愛称で、宮崎市のリゾート施設「シーガイア」に由来しています。787系電車の使用や博多駅への直通運転など、特色ある運行がなされました。

また、「ドリームにちりん」は、夜行特急として運行されていた列車です。2009年まではJR九州管内で唯一の定期夜行列車でしたが、2011年に廃止されました。

停車駅

「にちりん」の停車駅は、運行区間によって異なります。小倉駅、大分駅、宮崎空港駅などを中心に停車しますが、一部列車は一部駅に停車しない場合があります。また、「にちりんシーガイア」は博多駅発着で、一部駅にのみ停車します。繁忙期には臨時列車も運行され、停車駅も変化します。

使用車両

現在、「にちりん」には787系電車が使用されています。4両編成と6両編成があり、6両編成にはグリーン個室やDXグリーン車も連結されます。過去にはキハ80系気動車、485系電車、783系電車なども使用されていました。

運行概況

定期列車は「にちりん」と「にちりんシーガイア」が運行されており、繁忙期には臨時列車も運転されます。大分駅では「ソニック」と接続しており、乗り継ぎもスムーズに行えます。特急料金の乗り継ぎ割引制度も利用可能です。

乗車券等の特例

「にちりん」と「ソニック」の乗り継ぎでは特急料金の乗り継ぎ割引が適用され、西小倉駅-小倉駅間の重複区間は運賃計算から除外されるなど、いくつかの特例があります。また、宮崎駅-宮崎空港駅間は普通列車扱いとなります。

過去の列車

「ドリームにちりん」は、夜行特急として運行されていた列車ですが、2011年に廃止されました。

日豊本線優等列車沿革

日豊本線における優等列車の歴史は長く、1958年の臨時急行「ひかり」から始まります。その後、「にちりん」の登場や、他の優等列車との統合、廃止、名称変更などが繰り返され、現在の「にちりん」へと繋がっています。その歴史の中には、様々な列車愛称や車両、運行形態の変化が見て取れます。

まとめ

「にちりん」は、九州の鉄道史を象徴する特急列車のひとつです。長年にわたる歴史の中で、運行形態や車両は変化してきましたが、九州の主要都市を結ぶ重要な交通手段としての役割は現在も変わりません。これからも、進化を続ける「にちりん」の動向に注目していきましょう。

もう一度検索