にっぽんの芸能

にっぽんの芸能：日本の伝統芸能を伝えるNHK Eテレの教養番組

2011年4月1日、NHK教育テレビジョン（現Eテレ）において、日本の古典芸能を紹介する教養番組『にっぽんの芸能』が放送を開始しました。この番組は、2011年のテレビ放送完全デジタル化に伴う番組枠の大幅な改編を背景に誕生しました。

それまでEテレで放送されていた『日本の伝統芸能』（初心者向け）と『芸能花舞台』（本格的な愛好家向け）という2つの番組を統合する形でスタートしました。当初は、初心者向けの「花鳥風月堂」と、本格的な演舞を紹介する「芸能百花繚乱」の2部構成（計1時間）でしたが、内容によってはどちらか一方を1時間枠で放送することもありました。

「花鳥風月堂」は、ドラマ仕立てで古典芸能を紹介するユニークな構成でした。就職活動中の主人公「学」と、彼のいとこで店を営む「雪乃」の会話を通して、雪乃が古典芸能を例えに用いる場面で、学の知識不足を突く形で古典芸能の紹介VTRへと展開する、という流れです。「知らざぁ言って聞かせやしょうか。」という決め台詞も印象的でした。また、後半では現代音楽を伝統楽器で演奏するコーナーも設けられていました。作は池田政之氏が担当しました。

一方「芸能百花繚乱」は、『芸能花舞台』を継承したコーナーで、古典芸能の演舞を中心に関係者や研究家の解説を交えて紹介していました。2013年度からは「花鳥風月堂」が終了したことに伴い、初心者向けコーナー「古典芸能玉手箱」や着物のコーディネイトを紹介する「ナンノの着物ことはじめ」といった新コーナーも加わりましたが、これらのコーナーは毎週放送されるわけではありませんでした。

2012年度まではこの2部構成でしたが、2013年度からは「芸能百花繚乱」をベースに1時間枠での放送となりました。その後、2021年度に放送は終了し、放送時間を変更して『新・にっぽんの芸能』としてリニューアルされました。リニューアル後も、最後の司会を務めた高橋氏が司会を続投しました。

『にっぽんの芸能』は、長年に渡り日本の古典芸能の普及に貢献しました。初心者向けの分かりやすい解説から、本格的な演舞の紹介まで、幅広い層の視聴者にとって魅力的な番組であったと言えるでしょう。伝統芸能に興味のある方、あるいは日本の文化について深く知りたい方にとって、貴重な情報源であったことは間違いありません。番組で紹介された様々な芸能は、日本の文化遺産として未来へと継承されていくことでしょう。

番組の構成や出演者は、年々変更がありましたが、常に日本の伝統芸能を分かりやすく、そして魅力的に伝えることを目指していたことが分かります。番組終了後も、その功績は高く評価されており、日本の文化番組史において重要な位置を占める番組の一つと言えるでしょう。 番組公式サイトやNHK放送史にも記録が残されており、後世への貴重な資料となっています。

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