はぐれそうな天使

「はぐれそうな天使」は、来生えつこが作詞、来生たかおが作曲した楽曲で、1985年に来生たかお自身が歌唱したシングルとして発表されました。翌年には岡村孝子によるカバー・シングルが発売され、広く知られるようになりました。

来生たかおによるオリジナル版

来生たかおが歌った「はぐれそうな天使」は、彼の18枚目のシングルとして1985年9月10日にキティレコードからリリースされました。この楽曲は、本田技研工業の「トゥデイ」のCMソングとして使用され、CMには当時人気絶頂だった今井美樹が出演していました。

来生たかおのコンサートでのトークによると、当初は楽曲提供のみを予定していたものの、歌い手が見つからなかったため、最終的に彼自身が歌うことになったとのことです。

収録曲（来生盤）

1. はぐれそうな天使
2. 夢みる頃を過ぎても

これらの楽曲は、アルバム『ONLY YESTERDAY』（1985年）やCD-BOX『来生たかお作品集 Times Go By』（2001年）、アルバム『GOLDEN☆BEST 来生たかお ビジターズ』（2004年）などにも収録されています。

岡村孝子によるカバー版

岡村孝子が歌唱した「はぐれそうな天使」は、彼女の3枚目のシングルとして1986年3月20日にファンハウス（現・ソニー・ミュージックレーベルズ）から発売されました。この曲は、岡村孝子のソロ名義で発表された楽曲の中で唯一、彼女自身が作詞・作曲に関わっていない作品です。

また、岡村孝子の楽曲としては珍しく、船山基紀が編曲を担当しています。岡村孝子は後に、この曲を歌ったことでヴォーカリストとしての自信がついたと語っています。

来生たかおのオリジナル版に続き、岡村孝子のカバー版も本田技研工業「トゥデイ」のCMソングとして採用され、CMには同じく今井美樹が出演していました。

全編フランスでロケが行われたビデオソフト『Noël』（1986年12月20日）には、この曲のミュージック・ビデオが収録されており、2006年12月13日にはDVD化もされています。さらに、デビュー20周年記念ベスト・アルバム『DO MY BEST』やソロ・デビュー20周年記念TV主題歌&CMソング集『TOY BOX』の初回限定生産DVDにも、ミュージック・ビデオが収録されています。

コンサートツアー「OKAMURA TAKAKO CONCERT TOUR '03 "TEAR DROPS"」では、「はぐれそうな天使」のアコースティック・ヴァージョンが披露されましたが、現在のところ商品化はされていません。

カップリング曲の「ひとりぼっちの心を抱きしめて」は、ラジオの企画で制作された楽曲で、岡村孝子が第三者と初めてコラボレーションした作品です。アルバム『Andantino a tempo』には、この曲のリミックス・ヴァージョンが収録されています。

収録曲（岡村盤）

1. はぐれそうな天使
2. ひとりぼっちの心を抱きしめて

これらの楽曲は、アルバム『私の中の微風』や『HISTOIRE』、『岡村孝子ベスト SUPER BEST 2000』、『DO MY BEST』、『TOY BOX』、『T's BEST season 1』などに収録されています。

その他の情報

金月真美が藤崎詩織名義で発表したアルバム『Memories』（1997年）には、岡村孝子のカバー・バージョンをさらにカバーしたものが収録されています。

また、来生えつこの短編小説集『エピソード』（角川書店、1988年）には、同名の小説が収録されています。

「はぐれそうな天使」は、来生たかおと岡村孝子という二人の才能によって彩られた、時代を超えて愛される名曲と言えるでしょう。

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