はしだのりひことエンドレス

ザ・フォーク・クルセダーズのメンバーとして知られる端田宣彦（はしだのりひこ）が1972年後半に結成したフォークグループ、はしだのりひことエンドレス。日本の音楽史において、独特のフォークサウンドを残したグループとして注目に値します。

1972年10月25日、シングル「時は魔法使い」でデビュー。この曲は、はしだのりひこのソングライティング能力と、グループ全体のハーモニーが絶妙に調和した、彼らの音楽性を象徴する作品となりました。続く1973年3月10日にはシングル「嫁ぐ日」を発表。関西テレビ制作、フジテレビ系列で放送されたテレビドラマ『凡児の娘をよろしく』の主題歌に起用されました。ドラマとのタイアップは、グループの知名度向上に大きく貢献したと言えるでしょう。しかし、はしだのりひこ自身はインタビューでこの曲は「あまりヒットしなかった」と語っており、商業的な成功という面では必ずしも順風満帆ではなかったようです。

メンバーの顔ぶれは、活動期間を通して幾度か変化がありました。中心人物であるはしだのりひこ（ボーカル・ギター）に加え、初期のメンバーには林竹洋子（ボーカル）、北村謙（バンジョー・ボーカル）、千田雄一（コントラバス・ボーカル）らが名を連ねています。その他、和泉常寛や水城英明など、多くのミュージシャンが参加し、グループを支えました。特に1974年には、メンバーの病気なども影響して、入れ替わりがあったことが記録に残っています。1974年発表の最後のシングル「明日の色は/ひとり」では、はしだのりひこ、林竹洋子、水城英明の3名体制となっています。メンバーそれぞれの個性と才能が融合し、多様なサウンドを生み出していたことが伺えます。

ディスコグラフィーを紐解くと、1973年にはアルバム『はしだのりひことエンドレス Vol.1』をリリース。シングル曲に加え、アルバム未収録の楽曲も含まれていたと推測されます。シングル曲は「時は魔法使い」「嫁ぐ日」以外にも「初恋物語」「ひとり」「明日の色は」などがあり、それぞれの楽曲が異なる魅力を持ち、幅広いリスナーを魅了したことが想像できます。「赤いキッス」という楽曲も存在したようですが、詳細なリリース情報は見当たりません。さらに調査が必要となるでしょう。

はしだのりひことエンドレスは、活動期間こそ短かったものの、はしだのりひこのソングライティングと、個性豊かなメンバーたちの演奏によって、独自のフォークサウンドを確立しました。彼らの音楽は、70年代のフォークシーンに独特の色彩を加え、後世のミュージシャンにも影響を与えたと言えるでしょう。商業的な成功とは別に、彼らが残した音楽は、今もなお多くのフォークミュージックファンに愛され続けています。活動期間やメンバーの変遷、そして楽曲群から、はしだのりひことエンドレスの活動は、日本のフォーク音楽史において、重要な一章を刻んだと言えるのではないでしょうか。今後の研究によって、より詳細な情報が明らかになることを期待したいです。

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