はなうたはじめ Humming Soon

ヒカシューの7枚目のオリジナル・アルバム『はなうたはじめ Humming Soon』は、1991年12月21日にバップからリリースされました。

本作は、「人間の幸せ」をテーマに掲げた作品であり、そのテーマは楽曲全体を通して表現されています。アルバムジャケットは、写真家の荒木経惟が撮影を担当し、モデルは仙葉由季が務めました。独特な世界観がアルバムのイメージをより一層引き立てています。

また、本作は、結成時からのオリジナルメンバーであった井上誠がヒカシューを脱退する前の最後のアルバムとなりました。長年にわたりバンドを支えてきた彼の脱退は、ファンにとって大きな出来事でした。

収録曲は以下の通りです。

1. びろびろ -プヨプヨに対抗して-(Biro-Biro)
作詞・作曲:巻上公一
「プヨプヨ」へのアンサーソングとして制作されました。ユーモラスな歌詞と独特なメロディが特徴です。

2. ウイルスと共に(With Viruses)
作曲:坂出雅海
坂出雅海による作曲。不穏な雰囲気と実験的なサウンドが印象的な楽曲です。

3. はなうたはじめ(Humming Soon)
作詞:巻上公一／作曲:野本和浩
アルバムのタイトル曲。軽快なリズムと覚えやすいメロディが特徴的で、まさに「はなうた」を誘うような楽曲です。

4. くたびれた靴の軌道(Slipshod Orbit)
作詞:巻上公一／作曲:坂出雅海
日常の風景を切り取ったような歌詞と、どこか懐かしいメロディが心に響きます。

5. もったいない話(Waste of Inspiration)
作詞:巻上公一／作曲:坂出雅海
アップテンポな曲調と、風刺の効いた歌詞が印象的な楽曲です。

6. いつしか夏の骨となる(Some Summer I will be come a skeleton)
作詞:巻上公一／作曲:坂出雅海
夏の終わりの寂しさを感じさせる、美しいメロディが特徴です。

7. 虫の知らせ(The Hunch)
作詞:巻上公一／作曲:坂出雅海
ミステリアスな雰囲気と、予測不能な展開が魅力的な楽曲です。

8. 偉大なる指揮者1(Great Conductor 1)
作曲:大友良英・ヒカシュー
大友良英とヒカシューによる共作。実験的な要素が強く、前衛的なサウンドが展開されます。

9. はなうたまじり(Humm Together)
作詞:巻上公一／作曲:三田超人
多幸感溢れるメロディーと、ユニークな歌詞が印象的な楽曲です。

10. ポトラッチ天国(Potlach Paradise)
作詞:巻上公一／作曲:三田超人
祝祭的な雰囲気と、エキゾチックなサウンドが融合した楽曲です。

11. 偉大なる指揮者2(Great Conductor 2)
作曲:大友良英・ヒカシュー

12. 偉大なる指揮者3(Great Conductor 3)
作曲:大友良英・ヒカシュー
「偉大なる指揮者」シリーズは、即興演奏を基にした実験的な楽曲で、ライブ感溢れる演奏が楽しめます。

13. はなうたむすび(Ecstatic Humm)
作詞:巻上公一／作曲:坂出雅海
アルバムを締めくくる、穏やかで美しい楽曲です。

14. アンナ・パーラー(Anna Pahlar)
作詞・作曲:三田超人
* 三田超人による作詞・作曲。独特な世界観を持った楽曲です。

『はなうたはじめ Humming Soon』は、ヒカシューの音楽的な実験精神と、普遍的なテーマである「人間の幸せ」が融合した、聴き応えのあるアルバムです。

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