はまなす (フェリー)

フェリー『はまなす』の概要

『はまなす』は、新日本海フェリーによって運航される高速フェリーです。三菱重工業長崎造船所で建造され、2004年7月2日に就航しました。船名は、北海道の自然を象徴する植物であるハマナスから名付けられています。この船は、フェリー『はまなす』、ニュー『はまなす』に続く3代目となります。

航路と運行スケジュール

『はまなす』は、舞鶴東港から小樽港への航路を含むいくつかの運航ルートを持ちます。本船は、同じく新日本海フェリーで運航されるあかしあ号とともに毎日1往復しますが、月曜日は臨時運休となることがあります。特定日においては、敦賀港から苫小牧東港への運航も行われることがありますので、事前にスケジュールの確認が必要です。

高速推進システム

『はまなす』の最大の特徴は、世界初のハイブリッド型CRPポッド推進システムを採用していることです。これにより、本船は通常の大型フェリーとしては日本一の航海速力、30.5ノットを誇ります。試運転では最高速力32.04ノットを達成しました。この性能のおかげで、航路の所要時間を29時間から20時間に大幅に短縮することができました。また、全長224.5メートルは国内フェリーの中で最も長く、海上交通安全法における巨大船に分類されています。

推進の仕組み

ハイブリッド型CRPポッド推進システムは、ディーゼル主機によって動かされる1軸の可変ピッチプロペラと、その直後に設置された電動ポッド推進器を組み合わせたものです。このシステムは、プロペラの逆方向回転を利用しており、効率を高めつつ燃料消費量を従来の2軸推進方式と比較して約13%削減しています。港内での操船も優れた操縦性能を発揮します。

船体デザインと設備

『はまなす』は、7層構造の全通甲板を持ち、各甲板には異なる搭載区画があります。1甲板は車両搭載区画、4甲板は旅客区画、5甲板はレストランやデッキにあたります。乗客は5甲板後方のデッキにアクセスできます。船体の内装は「天・天空」をテーマに、自然を意識したデザインが採用されています。

乗客向けの設備

船上には、レストラン、カフェ、展望大浴場などが揃っており、快適な移動を提供します。特に、展望大浴場からは美しい海を眺めることができ、くつろぎのひとときを楽しめます。また、パブリックスペースとしてチルドレンルームやマッサージルームも設置されています。

過去の事故・インシデント

『はまなす』は、2004年に海上試運転中に発電機関室での出火事故を経験しましたが、迅速な復旧作業により予定通り就航しました。また、2016年には定期検査に入り、整備の都合で運航が延期される事例もありました。

まとめ

『はまなす』は、最新の技術を駆使した高速フェリーであり、安定した運航と快適な乗船体験を提供しています。旅行やビジネスでの利用にも適しており、多くの乗客に支持されている船舶です。

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