はやぶさ/HAYABUSA

映画『はやぶさ/HAYABUSA』

『はやぶさ/HAYABUSA』は、20世紀フォックス映画が製作・配給を担当した日本映画です。この作品は、日本の小惑星探査機「はやぶさ」の壮大なプロジェクトと、それに関わった人々の感動的な物語を描いています。2011年10月1日に日本で公開され、映画監督は堤幸彦、主演には竹内結子が名を連ねています。

概要

本作は、2011年から2012年春にかけて続々と公開された「はやぶさ」に関する映画群の中で、実写映画としての最初の作品です。「はやぶさ」を題材にした映画には、他にも『はやぶさ 遥かなる帰還』や『おかえり、はやぶさ』があります。これらは映画大手の競作として、多くの注目を集めました。

特に注目すべきは、2011年7月27日に行われた「史上初の宇宙試写会」です。国際宇宙ステーションに滞在中の宇宙飛行士、古川聡が最初の観客として参加し、衛星回線を通じて行われた試写会は、多くの話題を呼びました。この映画は日本では303スクリーンで公開され、初日の3日間で約1億280万円の興行収入を記録しました。また、ぴあ映画生活による「映画・満足度ランキング」で1位を獲得し、観客から高い評価を受けました。キャッチコピーには「それでも君は、帰ってきた。」や「あきらめない勇気を与えてくれたのは、君--。」が使用されています。

ストーリー

物語は2010年6月13日、オーストラリアのウーメラ砂漠で始まります。JAXAの水沢恵は、「はやぶさ」の大気圏再突入を待っていました。彼女の宇宙への思いは、亡くなった兄の遺志を受け継ぎたいという強い気持ちから来ています。物語は8年前の2002年の夏に遡り、水沢が宇宙科学研究所の的場泰弘の講演会を聞いているところから展開します。その後、彼女は的場に誘われ、宇宙科学研究所のスタッフとなります。

水沢は、小惑星探査機「MUSES-C」のカメラチームでも働くことになり、様々な課題に直面します。プロジェクトは低予算で困難が多く、さらには大気圏再突入時の不安からスタッフたちが心配を抱える様子が描かれています。不安の中で、彼女は子供たちに向けた絵本を作り始め、分かりやすい説明を心掛ける努力を重ねます。

「はやぶさ」は、見事にイトカワのサンプルを回収し、地球への帰還を果たします。しかし、通信が途絶え行方不明となり、スタッフたちはその帰還の行方を見守ることになります。水沢は博士号取得を目指し研究を続けますが、先の見えない研究の道で空しさを感じるようになります。そんな困難を克服し、「はやぶさ」の無事帰還を信じ続ける姿が感動的に描かれます。

登場人物

映画には実際のJAXA職員や関係者がモデルとなったキャラクターが登場します。水沢恵役の竹内結子を始め、的場泰弘（西田敏行）、坂上健一（髙嶋政宏）、プロジェクトマネージャーの川渕幸一（佐野史郎）など、様々な登場人物が物語を彩ります。これらのキャラクターは、実際の探査機の開発に尽力した人々の姿を反映しており、観客にとっても身近に感じられます。

制作とスタッフ

本作は、監督の堤幸彦を始めとするスタッフによって精力的に制作されました。またJAXAとの全面協力のもと、実際の宇宙関係者が撮影現場に常駐し、リアリティのある映像が実現されました。さらに、音楽は長谷部徹や瀬川英史、横山克が担当し、名曲とともに物語が展開します。

受賞歴とリリース

この映画は、2011年に第24回日刊スポーツ映画大賞で助演男優賞を受賞しています。さらに、DVDやブルーレイもリリースされ、多くのファンに愛されています。これらの作品は、視覚的にも音響的にも楽しめる特典を多数含んでいます。

『はやぶさ/HAYABUSA』は、宇宙探査の夢と人々の努力を描いた感動的な作品として、多くの観客に感銘を与えました。

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