ばらえてい テレビファソラシド

テレビファソラシドの歴史

『ばらえてい テレビファソラシド』は、1979年4月から1982年3月にかけてNHK総合テレビで放送されていたバラエティ番組です。通称「テレビファソラシド」として広く知られるこの番組は、音楽、スポーツ、漫才、歌舞伎、日本の自然探訪など、さまざまなテーマを取り入れた新しいスタイルのバラエティショーでした。特に、著名な司会者である永六輔が出演しており、彼の存在が番組の特異性を際立たせていました。

番組の概要

番組は、音楽バラエティーの先駆けともされる『夢であいましょう』の演出を手掛けた末盛憲彦が制作に携わり、音楽や芸能だけでなく、知的エンターテインメントを前面に押し出しました。番組のスタートに際して、永は自身のラジオ番組からの転身を果たし、これを機にテレビにも復帰しました。1978年の年末に特番が放送され、好評を博したことからレギュラー放送が決まりました。

初回の放送では、金田正一、井上順、石川さゆり、長谷川きよしなどがゲストとして登場。幅広い層のゲストを迎え入れることで、視聴者の共感を得ることに成功しました。その後、1980年に木曜日に枠移動し、タモリや小堺一機、近藤真彦といった新たなレギュラーが加わり、番組は成熟期を迎えました。1981年4月には再度土曜日に移動しましたが、プロ野球中継の影響を受けることになり、放送回数が減少しました。

司会者の革新

テレビファソラシドの際立った特徴は、複数の女性アナウンサーが司会を務めたことです。それまでのテレビ番組では女性アナウンサーが脇役に徹する形が一般的でしたが、本番組は主役としての役割を持たせ、視聴者に新鮮な印象を与えました。加賀美幸子と頼近美津子がレギュラー司会者として出演し、新しいスタイルの進行を実現しました。

永六輔はこの新たな形を評価し、女性司会者の魅力を引き出すことを目指していました。このオープンなスタイルは、NHKらしくない華やかな服装やアドリブを交えた自由な進行によっても支持され、視聴者の注目を集めました。

特徴的なコーナーとゲスト

番組内では「テレビファ座談会」や「六輔の旅行カバン」など、独自のコーナーが展開され、ゲストとの多彩なトークが繰り広げられました。その中でも特に注目されたのが、タモリと永による対話形式のコーナーです。タモリのユーモアが炸裂する一方で、永の知識と見識が光る場面が多く、視聴者にとって魅力的なコントラストを生み出しました。

1980年からは近藤真彦がレギュラーに加わり、彼の成長を見守る貴重な場でもありました。近藤は後に歌手としての道を歩むことになりますが、その旅立ちがこの番組での経験によって助けられたことは間違いありません。

番組の終焉と影響

番組は1982年3月13日に終了しましたが、3年間にわたり放送され、多くの視聴者の心に残る印象を与えました。NHKのバラエティ番組における女性アナウンサーの新たな役割を確立し、タモリや近藤といった個性的な出演者たちが新たなユーモアを生むきっかけともなりました。その結果、今では多くの女性アナウンサーがバラエティ番組でメインキャストとして活動する時代を先取りした貴重な番組であったと言えるでしょう。

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