ぱちんこファミスタオンライン

概要

『ぱちんこファミスタオンライン』は、かつてオンラインゲームプラットフォームとして親しまれた「ハンゲーム」の中で、特にパチンコ・パチスロゲームに特化したサービス『パチンコDX』にて稼働していた仮想のパチンコ機種の一つです。

その名称が示す通り、株式会社ナムコ（後のバンダイナムコエンターテインメント）が開発・運営していた人気オンライン野球ゲーム『プロ野球ファミスタオンライン』の世界観を忠実に再現し、モチーフとして採用しています。

最大の特徴は、実際のパチンコホールに設置される実機としてではなく、あくまでインターネットを通じてPCなどの画面上に映し出された台をプレイするという、オンライン専用の「仮想台」であるという点です。しかしながら、画面上に展開される多彩な演出や、大当たり確率、大当たり時の出玉といった仕様は、現実のパチンコ機に極めて近い形で作られており、オンラインでありながらも高い臨場感を味わえるように設計されていました。

ゲーム内容と演出

本機のゲームの根幹をなすストーリーは、架空の野球大会「ハンゲームカップ」の頂上決戦を舞台としています。この決勝戦では、ナムコゲームでおなじみの味方キャラクターたちで構成された「ナムコスターズ」と、同じくナムコゲームの敵キャラクターから成る「極アクダマーズ」が激突するという設定です。プレイヤーは、この両チームによる熱い戦いの展開に連動してパチンコのゲームが進行するのを見守ることになります。

パチンコのゲームフローにおいて大当たりへの期待を高める重要な要素であるリーチ演出では、この野球の対決をテーマにした様々なシーンがふんだんに盛り込まれています。例えば、ナムコスターズの選手たちが打席に立つ場面や、投手と打者の緊迫した対決シーンなどが描かれ、プレイヤーの期待感を煽りました。

スペック

『ぱちんこファミスタオンライン』の主なスペックは以下の通りです。

大当たり確率: 1/400
ラウンドカウント: 15ラウンド
賞球数: 3 & 10 & 14
大当たり出玉: 約1,500個（15ラウンド時）
確率変動突入率: 60％
確率変動継続率: 80％

大当たり確率は1/400と、当時のパチンコ機種の中ではやや重めの部類に入ると言えます。しかし、大当たり一回あたりの出玉は約1,500個と十分な量を確保しており、さらに確率変動への突入率が60%であることに加え、一度確率変動に突入すれば80%という高い継続率を誇っていました。このスペックは、通常時は辛抱が必要な場面があるものの、連荘に入った際の爆発力に期待できるバランスを示しています。

連荘システム

本機は、大当たりが連続して発生しやすいゲーム性を持つ「1ゲーム連荘」を基本的なシステムとして採用していました。大当たりが終了し、ボーナスゲームが終わった後、再び画面上ではナムコスターズ対極アクダマーズの野球の攻防が展開されます。

ここで、プレイヤーの運命を左右する重要な演出が起こります。もしナムコスターズの選手が相手チームの投球を打ち返し、ヒットを放つことができれば、または守備の際に極アクダマーズからアウトを奪うことができれば、それは次の大当たり獲得、すなわち連荘の継続を意味します。逆に、極アクダマーズの打者がヒットを打ってしまうと、残念ながら連荘はストップし、通常ゲームへと戻ります。この、大当たり後の野球シーンの展開が連荘継続の鍵を握るシステムは、プレイヤーに独特の緊張感と、キャラクターたちの活躍を見守る楽しみを提供しました。

シリーズ展開

『ぱちんこファミスタオンライン』は、バンダイナムコエンターテインメントが展開していたオンライン野球ゲーム『プロ野球ファミスタオンライン』から派生したエンターテインメントコンテンツの一つです。ハンゲームのプラットフォーム上では、本機の他にパチスロ版にあたる『ぱちすろファミスタオンライン』も提供されており、『ファミスタ』という人気IP（知的財産）をオンラインゲームサービス内で多角的に展開する戦略の一環として位置づけられていました。

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