ひぐらしのなく頃に 鬼曝し編

ひぐらしのなく頃に 鬼曝し編

『ひぐらしのなく頃に 鬼曝し編』は、竜騎士07氏原作、鬼頭えん氏作画による漫画作品です。角川書店の『コンプエース』にて2005年から2006年にかけて連載され、単行本は全2巻で刊行されました。本作は、07th Expansionの同人ゲーム『ひぐらしのなく頃に』をベースとした書き下ろしの外伝作品であり、本編とは異なる視点から雛見沢の物語を描き出しています。

ストーリー

物語は昭和58年（1983年）6月、ごく普通の女子高生・公由夏美が、父のマイホーム購入を機に、両親と雛見沢出身の祖母と共に興宮から引っ越してくるところから始まります。新しい学校での生活にも慣れ始めた夏美でしたが、ある日、祖母の故郷である雛見沢村が火山性ガスの噴出により一夜にして壊滅するという悲劇に見舞われます。

その後、日本各地で雛見沢村出身者がガス災害を「オヤシロさまの祟り」だと主張し、奇妙な行動に走る怪現象が続発します。中には殺人事件に発展するケースもあり、マスメディアは連日連夜、雛見沢出身者の奇行を興味本位で報道し、世間では次第に差別感情が醸成されていきます。

そんな中、夏美の祖母が「オヤシロさまの祟り」を恐れて、家中を魔除けで飾り立てた写真が写真週刊誌に掲載されてしまい、夏美は複雑な思いを抱えることになります。

鬼曝し編の特徴

本編とは異なる視点:

本作は、本編の主要人物ではなく、公由夏美という新たなキャラクターを主人公に据えることで、事件を異なる角度から捉えています。これにより、本編をプレイ済みのファンにとっても新鮮な驚きと発見があります。

社会問題への言及:

雛見沢村の壊滅後、村出身者への差別が拡大していく様子が描かれており、社会における偏見や差別の問題に触れています。本作は、単なるミステリーとしてだけでなく、社会派ドラマとしての側面も持ち合わせています。

* 祟りの真相:

物語が進むにつれて、「オヤシロさまの祟り」の真相が徐々に明らかになっていきます。夏美は、周囲で起こる奇妙な事件や人々の狂気に翻弄されながらも、真実を追い求めていきます。

関連情報

コンプエースVol.009の応募者全員サービスとして、書き下ろしの特別編を掲載した「ひぐらしのなく頃に 鬼曝し編・プレミアブック」が2007年3月に刊行されました。この特別編では、事件から7年後の平成2年を舞台に、藤堂暁と再会した赤坂の視点から事件の後日談が描かれています。この後日談は、後に「ひぐらしのなく頃に怪 現壊し編」にも収録されました。

また、DS版『ひぐらしのなく頃に絆』に収録されている「染伝し編」と「影紡し編」は、本作「鬼曝し編」をベースとしています。

「鬼曝し編」は、本編とは一味違った視点から雛見沢の闇を描き出す、ファン必見の外伝作品と言えるでしょう。

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