ひとひらの花

ひとひらの花（ひとひらのはな）

『ひとひらの花』は、日本の映像作品。特定の劇場で短期間公開された中編オムニバス形式のショートムービーである。監督と脚本は田中壱征が担当した。

作品は2020年6月に主要撮影が始まり、およそ2年後の2022年7月末に完成を迎えた。その公開は限定的なもので、2022年9月25日から10月2日までの期間、スペースキューブにて上映された。

このオムニバス作品の核となる物語の一つは、幼馴染である佐々木裕之（通称ヒロ先輩）とエナの絆を描いている。高校時代、彼らは将来への夢と淡い初恋を胸に抱いていたが、卒業と同時に異なる道を選ぶことになった。歌手を志すヒロは故郷を離れ、東京での厳しい生活の中で音楽活動を続けた。一方、エナはヒロの夢を応援し、地元で懸命に日々を送っていた。

彼らが別れる際、エナはヒロの将来を見据え、自身の彼への想いを抑えつつも、互いに「10年後に必ず再会しよう」という約束を交わした。この約束は、遠く離れて暮らす二人の心の支えとなる。特にエナにとって、その言葉は日々の困難を乗り越えるための大きな励みとなった。ヒロもまた、東京での生活や歌手活動に打ち込む中で、10年後の再会を胸に刻み続けていた。

そして約束の時が訪れる。ヒロは10年前の記憶を辿るように車を走らせ、かつて学んだ母校、中でも特に思い出深い教室へと向かう。同じ頃、エナもまた、その約束を信じてかつての教室でヒロを待っていた。10年の歳月を経て、二人は約束の場所で再会を果たす。思い出の詰まった教室で向き合う二人には、過ぎ去った青春の日々と、それぞれの10年間が交錯する。彼らが選んだ道、経験したこと、そして互いへの変わらぬ、あるいは変化した想いが、静かに、しかし確かに蘇る。

登場人物

佐々木裕之（ヒロ先輩）
高校卒業後に歌手を志し、地元を離れて東京で生活する。初恋の相手であるエナと10年後の再会を約束し、日々の生活や音楽活動に邁進する中で、その約束を果たすべく思い出の場所へ戻ってくる。
エナ
幼馴染のヒロを常に気遣い、その一歩先を行くような行動をとる女性。それはヒロへの深い想いゆえであったことに気づく。ヒロの夢を応援して見送った後、「10年後にまた会おう」という言葉を信じ、約束の場所で彼を待ち続ける。

キャスト

Vol.1
ケニー大倉 - 佐々木ひろ
愛梨 - ゆきこ
Vol.2
ケニー大倉 - 佐々木ひろ
Vol.3
村上隆文 - たける
浪江倫子 - ゆきこ
レギュラー
市川博樹 - 大竹耕三
山田順子 - 大塚アメ
大坪雅幸 - 花崎健

スタッフ

プロダクション - ラーズフルクリエーション株式会社、Nakatsuru Boulevard Tokyo
プロデューサー - 鈴木満、石津利昭
製作総指揮 - 田中壱征
監督 - 田中壱征
原作・脚本 - 田中壱征
制作 - 大原誠弍
撮影 - 野田雅之
編集 - 野田雅之

主題歌

「灯り」 - 田中龍

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