ひと夏の隣人

『ひと夏の隣人』

『ひと夏の隣人』は、有料映画チャンネルIMAGICA TVが、イマジカBS開局20周年記念作品として2016年に制作したオリジナルドラマです。前年に制作された『いつも まぢかに』に続く20周年記念作品の第二弾ですが、物語としての繋がりはありません。2016年11月4日に無料放送されました。

このドラマは、「愛の嵐」や「キャリー」など、数々の名画をモチーフに取り入れた青春ドラマで、山口まゆさんがドラマ初主演を飾りました。思春期の少女の繊細な心情と、不思議な隣人との交流を通して、心の成長を描いています。

ストーリー

物語の主人公は、中学2年生の赤石千織。学校でのトラブルや両親の離婚が重なり、家に引きこもる生活を送っています。父親が出て行った後、母親との関係も上手くいかず、孤独を深める千織。そんな彼女が、窓から見える隣の空き家に引っ越してきた男、鈴木に興味を抱きます。鈴木もまた、社会との繋がりを絶ち、家に引きこもっている様子でした。

ある日、鈴木が部屋で観ていた映画「愛の嵐」をきっかけに、二人は言葉を交わすようになります。「いまを生きる」「ロミオとジュリエット」「キャリー」といった名画について、独自の視点で熱く語る千織。鈴木は、そんな彼女の言葉に同意するわけでも、否定するわけでもなく、ただ静かに耳を傾けます。周囲の大人たちとは違う、不思議な雰囲気をまとう鈴木に、千織は次第に心を開いていきます。

しかし、そんな中、学校の担任が家を訪ねてきたことをきっかけに、千織の周りの人々への鬱屈した感情が爆発。自ら手首をナイフで傷つけようとする千織に、鈴木は意外な言葉を投げかけます。物語は、二人の交流を通して、それぞれの心の傷や葛藤が描かれていきます。

キャスト

赤石千織：山口まゆ（引きこもりの女子中学生）
鈴木次郎：田口トモロヲ（謎の隣人）
赤石祥子：西田尚美（千織の母親）
赤石克哉：斉藤陽一郎（千織の父親）
星野静香：松本妃代（千織の担任教師）
白井竜：清水尋也（千織の幼なじみ）
須藤春菜：茂内麻結（千織の同級生）
川崎舞：天野菜月（千織の同級生）
山根：松原正隆
堤：林田麻里

スタッフ

監督：杉山嘉一
脚本：工藤裕子
製作総指揮：原田俊英
プロデューサー：本庄純
音楽：菊池亮太
撮影：永森芳伸
照明：岡田佳樹
美術：須田将好

作品の魅力

『ひと夏の隣人』は、思春期の少女の繊細な感情と、大人の社会との距離感を描いた作品です。引きこもりがちな少女と、謎めいた隣人との交流を通して、それぞれの心の葛藤が丁寧に描かれています。

また、作中に登場する名画が、二人の会話の中で重要な役割を果たしており、映画ファンにとってはさらに楽しめる要素となっています。それぞれの映画に対する解釈や、そこから生まれる会話が、物語を彩ります。少女の心の成長や、過去の傷を抱える隣人との関係性を通して、観る人に様々な感情を抱かせる作品です。

外部リンク

* イマジカBS公式サイト

もう一度検索