ひまわりと子犬の7日間

映画『ひまわりと子犬の7日間』

『ひまわりと子犬の7日間』は、2013年に公開された日本映画で、実際の事件を基にした感動的なストーリーです。物語の舞台は宮崎県で、映画はその地で先行公開されるなど、地域に深い関わりを持っています。また、東京国際映画祭でのプレミア上映を経て、いよいよ全国での公開となりました。

制作背景

この作品は、2007年に宮崎県中央保健所で実際に発生した出来事を元にしています。原作は、山下由美が執筆したブログ「動物たちの未来のために」で、多くの人々に感動を与え、後に書籍化もされました。映画化の話が持ち上がったのは、松竹映画が著者の山下由美にオファーをしたことから始まりました。そして、長年山田洋次監督の助監督を務めていた平松恵美子が初めて監督を担当しました。この映画は、動物の殺処分という重いテーマに取り組んでおり、そのため脚本は30稿に及ぶ練り直しが行われました。

物語の概要

物語は、ある農家で雌犬が生んだ子犬たちの中で、成長が遅れた一匹の子犬を老夫婦が育てるところから始まります。しかし、母犬が不幸にも事故で亡くなり、老夫婦は子犬を愛し育てていきました。時が経つにつれ、子犬は母犬と同じ大きさになり、老夫婦との穏やかな生活を送りましたが、おばあさんが亡くなり、おじいさんは老人ホームに入居することになります。元気だった子犬は、去っていくおじいさんを必死に追いかけますが、途中で見失ってしまいます。数日後、戻った家は取り壊されており、犬は野良犬として生きることになったのです。

2007年、神崎彰司という保健所の職員は、動物園が閉鎖されたことにより新たな職場での仕事に直面していました。彼は、愛する妻を亡くした過去を抱えながらも、保健所の仕事をしていました。しかし、職場では犬の殺処分が行われるのを知り、そのことを思春期の娘に打ち明けられずに悩んでいました。ある日、彼は苦情を受けて捕獲した犬の中に、かつての飼い主に捨てられた母犬とその子犬たちを発見します。母犬は過去に愛情をもって育てられていたことが明らかになり、彰司は彼女たちを救うために尽力します。

キャストと役柄

映画には堺雅人が神崎彰司役で出演し、彼の持つ優しさや葛藤が目立ちます。母犬のひまわり役は柴犬のイチが演じ、これまた感情豊かな演技が光ります。他にも、動物病院の獣医師役である中谷美紀や、保健所の職員役の若林正恭など、個性豊かなキャストが揃い、ストーリーを引き立てています。特に、親子の絆や動物との関わりの中にある愛と苦悩が丁寧に描かれています。

音楽とテーマ

本作の音楽は寺嶋民哉が担当し、感情を揺さぶる旋律が印象的です。また、映画主題歌「花」をSonar Pocketが担当し、物語の雰囲気をより深めています。キャッチコピー「命の期限は7日間。ぼくたちは奇跡を起こす。ただ、愛の力だけで――」は、映画のテーマを象徴するもので、観客に強いメッセージを伝えます。

この映画は、動物愛護や命の大切さを考える良い機会となり、感動的な物語が多くの人々に共感を呼びました。また、興行的にも成功を収め、観客動員数や興行収入で良好な結果を残しました。『ひまわりと子犬の7日間』は、心に響く感動作として、多くの人々に愛されている作品です。

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