ひらいたひらいた

ひらいたひらいた

「ひらいたひらいた」は、日本で古くから親しまれているわらべうた・童謡の一つです。この歌は、江戸時代には浅草近辺で歌われていたとされ、現在では日本全国で広く知られています。

歴史

「ひらいたひらいた」は、遊び歌として、特に幼児教育の場で広く用いられています。江戸時代から歌い継がれてきた童歌ですが、一般に広まったのは幼児教育が普及してからのことです。

1820年頃には、行智によって編纂された『童謡集』に「蓮華」という題で収録されています。しかし、明治時代に入ると、フレーベルなどの西洋の遊戯歌の影響で、日本の伝統的な遊戯歌は一時衰退しました。その後、明治30年代頃から唱歌教育改革が進められたことをきっかけに、再び見直されるようになりました。

1942年の「子供うた風土記」には、現在歌われている歌詞とほぼ同じものが記録されています。現代の歌詞では「いつのまにか」と歌われる箇所が、当時は「やっとこさと」と歌われていた点が異なります。2000年代に入っても、小学校教育で採用されるなど、日本全国で広く歌い継がれています。

遊び方

「ひらいたひらいた」は、複数人で手をつなぎ、輪になって歌いながら遊ぶのが一般的です。歌に合わせて輪を大きくしたり小さくしたりしながら楽しみます。

歌詞

歌詞は、七五調のようなリズムで繰り返されます。「れんげのはな（蓮華の花）」と歌われていますが、ここでいう蓮華とは、レンゲソウではなくハスの花を指しています。

関連作品

絵本

『こぐまちゃんえほん ひらいた ひらいた』：わかやまけん（絵）、森比左志、わだよしおみ（文）、こぐま社、1977年。

カバー

藤圭子のアルバム『圭子のわらべ唄／藤圭子とグリーメン』に収録（1971年）。編曲は小杉太一郎、歌唱はグリーメンが担当。

参考文献

仲井幸二郎、丸山忍、三隈治雄『日本民謡辞典』東京堂出版、1972年。
真鍋昌弘「明治期における伝承童謡蒐集について」『奈良教育大学国文 : 研究と教育』第7巻、奈良教育大学国文学会、1984年。
国書刊行会 編『童謡集』国書刊行会〈近世文芸叢書 第11巻〉、1912年。
赤城泰舒『子供うた風土記. 1』大濤社、1949年。
白川蓉子「明治初期における「唱歌」と体操科「遊戯」の特質」『教育学研究』第42巻第1号、奈良教育大学国文学会、1975年。
木暮朋佳「小学校歌唱共通教材の歌詞の定型詩構造に関する一考察」『美作大学・美作大学短期大学部紀要』第56巻、美作大学、2011年。

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