ひらしま型掃海艇

ひらしま型掃海艇について

ひらしま型掃海艇（Hirashima-class minesweeper）は、海上自衛隊が運用する中型掃海艇の艦級であり、特に機雷処理に特化した設計が施されています。この艦級の設計は1991年の自衛隊ペルシャ湾派遣から得た教訓を基に、より高い掃海能力を求めて開発されました。ネームシップの建造単価は175億円に達しており、先進技術を駆使した水中航走式機雷掃討具を導入しています。これにより、特にホーミング機雷への対応力が向上しているのが特徴です。

来歴

ひらしま型の開発は1994年度計画から始まり、イギリス海軍のサンダウン級を参考に設計されています。しかし、日本周辺海域では泥質の海底が多く、ただの機雷掃討専用艇では対応が難しいため、オーストラリア製のDYAD感応掃海具を併用し、機雷掃討能力を両立させる形となりました。このような背景から、すがしま型に装備された機雷掃討システムを国産化し、より柔軟な運用が可能な新型艇としてひらしま型が登場しました。

設計

ひらしま型の船体設計は、おおむねうわじま型を踏襲しており、長船首楼型と角型の船体形状を採用しています。主要な材質としては、ベイマツやケヤキ、タモを使用し、構造的な強度を確保しています。また、主機関には62MSCで使用されていた非磁性ディーゼルエンジンが搭載されており、出力は1,100馬力に引き上げられています。これにより、掃海時に必要な低速域での電気推進が可能となり、より高精度な操縦が実現されています。

装備

本型艇は最新の対機雷戦システムを有しており、特にOYQ-201掃海艇情報処理装置（MCDS）が中核となります。国産化されたこのシステムは、S-10操作用コンソールなど複数の端末で構成され、機雷の探知や処理が効率的に行われます。機雷探知機にはZQS-4が搭載され、水中航走式機雷掃討具S-10との協働で、高精度な機雷処理が可能にされています。さらに、サイドスキャン・ソナー4型を用いて海底の事前調査を行うことで、作戦が進行しやすくなっています。

機雷掃討能力

ひらしま型は、水中航走式機雷掃討具S-10を搭載しており、機雷探知、類別、処分といった一連の工程を自動で行える自己完結型システムです。これにより、ホーミング機雷に対しても、より安全に処理が行えるようになりました。加えて、51年ぶりに新型の小型係維掃海具1型が搭載されており、掃海性能の向上が図られています。

結論

ひらしま型掃海艇は、国産の高性能機雷掃討システムを装備し、海上自衛隊における重要な役割を果たしています。最新の技術を取り入れた設計は、今後の機雷戦において益々重要性を増すことが期待されます。

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