びっくらドン!

『びっくらドン!』 は、1970年代後半、日本のテレビ界において独自の色を放ったクイズ番組です。具体的には、1977年4月6日から同年9月28日にかけて、TBS系列の各局で放送されました。番組は、制作局であるTBSが毎週水曜日の午後7時から7時30分までの30分間にわたり提供しました。

この番組の大きな特徴は、そのクイズの形式にありました。毎回スタジオには、一般にはあまり見られないような特別な才能、珍しい技能、あるいは驚くべき記録を持つ人物、いわゆる「びっくらさん」が1名登場しました。そして、その「びっくらさん」と共に、特にそういった要素を持たない人物が2名、合計3名が解答者たちの前に姿を見せます。解答者たちは、3名それぞれと対話したり、彼らの言動を観察したりしながら、一体誰が本物の「びっくらさん」なのかを推理するのです。そして、見事正解者を特定することを目指すという、人間の観察力や洞察力が試される内容となっていました。

番組の司会を務めたのは、当時既に人気・実力ともにトップクラスの漫才コンビとして知られていた、横山やすし氏と西川きよし氏でした。両氏は、本番組が始まる直前まで同じ時間帯に放送されていた前番組『この人あの人どんな人』でも司会を担当しており、その経験と息の合った掛け合いで、この『びっくらドン!』でも番組全体の進行を円滑に進め、解答者やゲスト、そして視聴者を楽しませました。彼らの軽妙でテンポの良い司会ぶりは、番組の魅力を一層引き立てる要素となりました。

解答者席には、固定のレギュラーメンバーが顔を揃えました。俳優として活躍していた小林千登勢氏、マルチタレントとして知られた鈴木ヒロミツ氏、当時若手女優として注目されていた岡まゆみ氏、そしてアイドルグループ「ずうとるび」のメンバーとしても人気だった江藤博利氏が、主なレギュラー解答者として出演しました。彼らはそれぞれの視点から鋭い質問を投げかけたり、ユニークな推理を展開したりして、クイズに挑みました。さらに、レギュラーメンバーに加えて、毎週異なる分野から1名のゲスト解答者が招かれました。これにより、毎週新たな視点や反応が加わり、番組に新鮮な雰囲気がもたらされました。

『びっくらドン!』は、ユニークな「びっくらさん」というコンセプトと、実力派の司会者、そして個性豊かなレギュラー・ゲスト解答者によって成り立っていました。しかし、放送期間は約半年間と、比較的短い番組 lifespan でした。それでも、この番組は当時のテレビ視聴者に対して、日常から少し外れた驚きや面白さを提供し、特定のニッチな才能や記録に光を当てる試みとして記憶されています。参考文献としては、当時の番組内容や放送情報を記録した毎日新聞の縮刷版などが挙げられます。

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