ぴあフィルムフェスティバル

ぴあフィルムフェスティバル（PFF）とは

ぴあフィルムフェスティバル（PFF）は、「新しい才能の発見と育成」「映画の新しい環境づくり」をテーマに、毎年開催される映画祭です。自主映画のためのコンペティション「PFFアワード」と、国内外の貴重な作品を紹介する「招待作品部門」の2つを柱としています。

PFFアワード

「PFFアワード」は、若手映画監督にとって重要な登竜門となっており、これまでに160名を超えるプロの映画監督を輩出してきました。応募作品には、内容、尺、形態、年齢、経験などの制限が設けられておらず、多様な才能が集まる場となっています。映画祭では、選ばれた入選作品が上映され、最終審査を経て、グランプリなどの各賞が決定されます。審査員は、現役で活躍する映画監督やクリエイターで構成されています。

PFFの歴史

1970年代後半、日本[[映画]]が衰退していく中で、「映画会社が監督を育てないなら、自主映画から人材を発掘するしかない」と考えた矢内廣と林和男らが、1977年に「第一回自主映画展」としてスタートさせたのがPFFの始まりです。当初は雑誌「ぴあ」を通じて作品を公募し、ぴあのスタッフが審査していました。1981年に現在の「ぴあフィルムフェスティバル」という名称に改められました。

映画製作支援制度の創設

1984年には、映画製作援助制度である「PFFスカラシップ」が創設され、若手監督の育成体制が整えられました。スカラシップは、企画から製作、公開までをトータルプロデュースするもので、監督にとっては、映画製作の本質を学ぶ貴重な機会となっています。選考は、「PFFアワード」の受賞者が対象となり、企画や脚本などを提出し、面談を経て決定されます。スカラシップ作品は、PFFでプレミア上映された後、海外映画祭への出品、劇場公開が行われます。

運営体制の強化と発展

1990年代後半には、インターネットの普及により映画コンテンツの魅力が高まり、TBS、イマジカ、NTTブロードバンドイニシアティブなどが協力し、「PFFパートナーズ」が設立されました。また、PFFは、全国各地での開催や、海外映画祭への出品など、活動の幅を広げています。2009年には、東京国立近代美術館フィルムセンター（現・国立[[映画アーカイブ]]）との共催を実現し、2017年には「一般社団法人PFF」を設立するなど、組織としての発展も遂げています。

多彩な活動内容

PFFの活動は、「才能の発見」「才能の紹介」「才能の育成」の3つを軸としています。「PFFアワード」では、多様な才能を発掘し、「PFFライブラリー」では、過去の入選作品やスカラシップ作品を上映会や専門学校の授業などに貸し出しています。また、スカラシップ制度や、早稲田大学との産学連携、文化庁の若手映画作家育成プロジェクトへの参加など、若手監督の育成に力を入れています。

過去の入選者・スカラシップ監督

PFFからは、森田芳光、石井聰亙、黒沢清、橋口亮輔、矢口史靖、園子温、熊切和嘉、李相日、荻上直子、内田けんじ、石井裕也など、現在日本[[映画]]界で活躍する多くの監督が輩出しています。スカラシップ作品も、国内外で高い評価を得ており、内田けんじ監督の『運命じゃない人』がカンヌ国際[[映画祭]]で4賞を受賞、熊坂出監督の『パーク アンド ラブホテル』がベルリン国際[[映画祭]]で最優秀新人作品賞を受賞するなど、快挙を成し遂げています。

近年の取り組み

近年では、東京国際映画祭との提携や、若手監督を対象とした「大島渚賞」の創設、テレビでの上映企画など、より多くの人に作品を紹介する取り組みを行っています。

PFFの意義

PFFは、若手映画監督にとって、才能を世に知らしめ、映画界で活躍するための重要な足がかりとなっています。自主映画の可能性を広げ、日本[[映画]]の未来を担う人材を育成する上で、PFFの役割は非常に大きいと言えるでしょう。

PFFアワード入選者（一部）

長尾直樹 (1977年)
石井聰亙 (1978年)
森田芳光 (1978年)
犬童一心 (1979年)
手塚眞 (1979年, 1981年)
黒沢清 (1981年)
松岡錠司 (1981年, 1984年)
園子温 (1986年, 1987年)
橋口亮輔 (1986年, 1989年)
矢口史靖 (1990年)
熊切和嘉 (1997年)
李相日 (2000年)
荻上直子 (2001年)
内田けんじ (2002年)
石井裕也 (2007年)

PFFスカラシップ作品（一部）

風間志織 (1984年)
斎藤久志 (1985年)
小松隆志 (1986年)
園子温 (1987年)
橋口亮輔 (1991年)
矢口史靖 (1992年)
熊切和嘉 (2000年)
荻上直子 (2002年)
内田けんじ (2004年)
* 石井裕也 (2011年)

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