ふじみ監査法人

ふじみ監査法人：中堅監査法人の歩みと変革

ふじみ監査法人は、2023年10月1日、双研日栄監査法人、青南監査法人、名古屋監査法人の3法人が合併して設立された中堅監査法人です。それぞれの監査法人は長年に渡り、日本の経済発展を支えてきた企業の監査に携わってきました。特に、双研日栄監査法人の前身となる監査法人双研社と日栄監査法人は、それぞれ東洋製罐グループホールディングスと山崎製パンを長期間にわたり監査しており、その監査報酬は売上高の大部分を占めていました。

しかし、会計業界を取り巻く環境は大きく変化しました。近年、監査の独立性確保に向けた規制が世界的に厳しくなり、特定クライアントからの報酬依存度が高すぎる監査法人は、その独立性を脅かされるとの懸念が高まりました。このため、国際会計士倫理基準審議会（IESBA）は倫理規定を改定、特定クライアントからの報酬が総収入の15％を超える場合は監査人を辞任することが義務づけられるようになりました。日本でも同様の規制が導入され、監査法人の経営戦略は大きく見直されることとなりました。

双研日栄監査法人は、この新たな規制に対応するため、さらなる合併による規模拡大を戦略として選択しました。合併相手となったのは、規模は小さいながらも、高い専門性と豊富な経験を持つ青南監査法人と名古屋監査法人です。これら3法人の合併により、ふじみ監査法人は年間売上高12億円超（2023年3・6月期）規模の中堅監査法人となり、大手・準大手監査法人を除く中堅監査法人の中ではトップクラスの規模を誇ります。

合併後、ふじみ監査法人は、50年来の主要クライアントであった東洋製罐グループホールディングスを、あずさ監査法人へと監査を交代させました。これは、新たな報酬依存度規制に対応し、監査の独立性をより一層強化するための措置です。この変化によって、ふじみ監査法人は、特定クライアントへの依存度を軽減、より安定した経営基盤を構築することとなりました。

ふじみ監査法人は、東京と名古屋に事務所を構え、2024年6月30日現在、従業員数152名（社員38名、公認会計士職員99名、公認会計士試験合格者10名）、クライアント数123社（うち金商法監査22社）という規模です。主なクライアントには、上場企業をはじめ、学校法人（早稲田大学、立教大学など）が含まれており、幅広い分野で監査サービスを提供しています。

ふじみ監査法人の歴史は、1951年設立の大塚公認会計士事務所に遡ります。その後、水上公認会計士事務所、監査法人朝見会計事務所などの設立・合併を経て、2023年の3法人合併に至るまで、常に変化する業界環境に対応しながら成長を遂げてきました。

長年の経験と専門性を活かし、数々の企業の成長を支えてきたふじみ監査法人は、今後とも、高い専門性と独立性を維持しながら、顧客企業のニーズに応えることで、日本の経済社会の発展に貢献していくことでしょう。 その堅実な経営と、変化に柔軟に対応する姿勢が、今後の発展を支える大きな力となるはずです。 今後の展開に注目が集まります。

沿革

1951年：大塚公認会計士事務所設立
1963年：水上公認会計士事務所設立
1980年：監査法人朝見会計事務所設立
1981年：水上公認会計士事務所が青南監査法人に改組
1983年：大塚公認会計士事務所を母体とし監査法人双研社設立
1988年：日栄監査法人設立
2010年：監査法人朝見会計事務所が名古屋監査法人に名称変更
2019年：監査法人双研社と日栄監査法人が合併し、双研日栄監査法人となる。双研日栄監査法人がBKRインターナショナルに加入
2022年：双研日栄監査法人が本部事務所を統合
2023年：双研日栄・青南・名古屋の3法人が合併し、ふじみ監査法人となる。

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