ふたつの昨日と僕の未来

『ふたつの昨日と僕の未来』について



『ふたつの昨日と僕の未来』は、2018年に公開された日本の劇映画です。愛媛県新居浜市を物語の舞台としたオリジナル作品であり、新居浜市の市制施行80周年を記念する事業の一環として製作されました。この映画は、しばしば「ふた僕」という愛称で親しまれています。

製作背景



本作の構想は、愛媛県出身である大森研一監督が、映画『瀬戸内海賊物語』の撮影のために2012年に初めて新居浜市を訪れたことに端を発します。監督はその後も毎年新居浜市の祭りを訪れるなど、継続的に当地との交流を深めていきました。そして、2018年の市制80周年という節目に、本格的な映画製作が始動しました。監督自身が新居浜市で実際に感じ、体験したことや、現地の人々との関わりを通じて培われた思いが反映され、全編新居浜市でのロケーション撮影（オールロケ）によるオリジナル脚本が執筆されました。撮影では、住友グループの発祥の地であり近代化遺産でもある別子銅山跡地や、地域の誇りである新居浜太鼓祭りといった新居浜を象徴する場所が重要なシーンで使用され、数千人ものエキストラが参加しました。また、撮影期間中には市民が毎日炊き出しを行うなど、行政のみならず多くの市民が製作に積極的に関わるという、地域一体となった取り組みとなりました。主人公の食卓には、大森監督作品において度々登場する愛媛県の伝統工芸品である砥部焼が使われています。映画の主題歌「サーチライト」は、新居浜市出身で同市の観光大使も務めている歌手、水樹奈々が担当しました。

物語のあらすじ



主人公は、かつてオリンピックを目指したマラソンランナーの越智海斗（佐野岳）です。怪我によって現役アスリートとしての道を断念せざるを得なくなった彼は、現在新居浜市役所に勤務していますが、目標を見失い無気力な毎日を送っています。その結果、恋人の真里乃（相楽樹）にも愛想を尽かされてしまいます。そんなある日、海斗は別子銅山跡地近くの山奥で奇妙な洞穴を発見します。その洞穴を抜けた瞬間、彼の頭の中にもう一つの人生の記憶が鮮明に流れ込んできました。街に戻った海斗が見たのは、自分がオリンピックの金メダリストとなり、街の英雄として迎えられている姿でした。冷え切っていたはずの真里乃とは円満な関係を築き、交通事故で亡くなったはずの父・悟は市役所の上司として生きて働いています。しかしその一方で、存命しているはずだった祖母・智恵子は亡くなっており、逆に他界していた祖父・哲夫が生きています。二つの異なる世界の記憶に激しく混乱する海斗は、再び洞穴を通って元の自堕落な生活を送る世界へ戻ります。嫌気がさした海斗は、成功を収めているもう一方の人生に強い魅力を感じ、再び洞穴へと向かいます。二つの世界の狭間で揺れ動く海斗は、果たしてどのような未来を選択するのでしょうか。

主なキャスト



本作を彩る主な出演者は以下の通りです。


関連情報



主題歌である水樹奈々の「サーチライト」は、彼女の38枚目のシングルCD『NEVER SURRENDER』（2018年10月24日発売）に収録されています。映画に関する情報は公式サイトなどで確認できます。

もう一度検索

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。