ふたつの胡桃

ふたつの胡桃

『ふたつの胡桃』は、シンエイ動画によって制作されたアニメで、戦争童話集シリーズの第6作目にあたります。2007年8月15日にはテレビ朝日系列にて放送され、シリーズでは初のオリジナル作品として位置づけられています。

あらすじ

物語は2007年8月10日、東京下町に住む小学6年生の中西彩花（なかにし あやか）が愛犬ライアンとともに、62年前の1945年3月7日の世界にタイムスリップするところから始まります。彩花は、戦時中の友人・斎藤友子（さいとう ともこ）と出会い、彼女の家に滞在することになります。友子の家族や友人たちと交流を深める中で、彩花は自分が未来から来たことを友子にだけ打ち明けますが、友子はその事実を受け入れ、2人の友情は変わらず築かれていきます。

友子からプレゼントされた胡桃の鈴は、彩花にとって特別な宝物となります。しかし、物語は次第に厳しい現実に直面します。3日後の3月10日には東京大空襲が起こり、友子の母・とし子や弟・健太、友人・将吉が命を落としてしまいます。彩花は、友子や犬たちと一緒に恐怖に怯えながら逃げ惑うことになりますが、現代にいる友人の麗奈から聞いた避難場所の情報を思い出し、宝倫寺を目指します。しかし、途中で起こった火災により彩花は再びタイムスリップし、現代に戻ってしまいます。

現代に戻った彩花は、過去に置き去りにしたライアンのことや、戦火で命を失った人々のことを思い出し、悲しみに暮れることになります。この出来事から1年後、彼女は中学生になり、愛犬のハナを連れて宝倫寺の慰霊碑へ花を添えに訪れます。その時、美しい胡桃の鈴の音が耳に届き、その音の主である老女が現れます。彼女こそ、63年前の戦火を共に生き延びた友子でした。

登場人物

• - 中西彩花（なかにし あやか）: 本作の主人公であり、小学6年生。ライアンと共にタイムスリップを体験し、成長を遂げる。
• - 斎藤友子（さいとう ともこ）: 昭和8年生まれの小学6年生で、彩花と深い友情を築く。
• - ライアン: 彩花の愛犬。共にタイムスリップし、戦火の中で奮闘する。
• - 麗奈（れな）: 彩花の友人で、現代に存在。
• - 斎藤健太（さいとう けんた）: 友子の弟。
• - 斎藤とし子（さいとう としこ）: 友子の母。
• - 谷口将吉（たにぐち しょうきち）: 友子の友人。

このアニメは、戦争の影響や友情の大切さを描いた感動的な物語であり、観る者に様々なメッセージを伝えています。彩花の成長と、友子との再会は、多くの人々に勇気や希望を与えることでしょう。

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