ふね遺産

ふね遺産（Ship Heritage）

概要

ふね遺産とは、公益社団法人日本船舶海洋工学会が認定し、歴史的かつ学術的・技術的に価値のある船舶やその関連設備を表彰する制度です。この取り組みは、同学会が他学会の活動を参考にし、設立120周年を迎えた2017年に正式に始まりました。これを通じて、船舶海洋工学の技術や文化的遺産を未来へ伝えることが目的となっています。

目的

この制度の主な目的は、歴史的な「ふね」に関連する遺産を認定し、より多くの人々にその価値を認知してもらうこと、そして次世代に継承することです。また、ふね遺産を通じて国民の「ふね」に対する関心や誇り、憧れを育むことを目指しています。これにより、文化的価値のあるものを保存する運動が盛り上がることを期待しています。特に「ふね」という表記は、船や舟を含む幅広い意味を持たせるために平仮名で表記しています。

認定対象

ふね遺産の認定対象は、以下のような多様な物件です。これらは現存するものだけでなく、信頼できる証拠がある非現存物件も含まれます。

• - 人や物資を運ぶための各種船舶、作業船、調査船、艦艇などの浮体構造物
• - それらの設計や製造、運用に関する設備や工具、施設
• - 技術資料や関連文書
• - 重要な技術や歴史的事象を示すもの

これらは他の遺産と重複する場合もあり、認定の対象時期に特に制限はありません。

認定基準

ふね遺産の認定は、船舶海洋技術に貢献したものや、社会や文化に影響を与えたものが基準とされています。具体的な要件は以下の通りです。

船舶海洋技術に対する貢献

• - 新規または独創的な技術をもたらしたもの
• - 性能の大幅な向上を実現したもの
• - 設計面での重要な進展を示したもの
• - 学術的価値が高い精緻な復元物

平和や社会、文化などへの貢献

• - ふね関連技術の歴史的意義や文化的価値
• - 新たな経済分野の創出に寄与したもの
• - 教育や生活の向上に貢献したもの

軍事関連の貢献は対象外です。

認定手順

認定は以下のステップで進行します。
1. 一般から候補を募ります。
2. 日本船舶海洋工学会内のふね遺産認定実行委員会が候補を選定し、推薦します。
3. 審査委員会が推薦案件を検討し、正式な認定を決定します。

具体的な審査方法は別途定められています。

過去の認定一覧

これまでに認定された代表的なふね遺産には、以下のようなものがあります。

• - 第1回: 現存船、復元船、関連機器、建造施設など
• - 第2回: 現存船、建造施設、資料
• - 第3回: 現存船、非現存船、建造施設
• - 第4回: 現存船、第五福竜丸、造船関連資料など

ふね遺産制度は、日本の海洋技術や文化を次世代に継承する貴重な取り組みです。これを通じて、より多くの人々が「ふね」に対する理解を深めることを期待しています。

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