ふるさとの風 〜山口市民の歌〜

『ふるさとの風 〜山口市民の歌〜』

山口市の市民歌『ふるさとの風 〜山口市民の歌〜』は、この市に深く根付いた思いを表現した楽曲です。山口市は、山口県の県庁所在地として地域の文化やアイデンティティを大切にしています。この歌は、2006年に新しく成立した山口市の市民歌として制定されました。

歴史的背景

1929年に市制を施行した初代山口市から数えて、3代目となる山口市は、2回の合併を経験しています。1944年に設立された（2代目）山口市では、1951年に初代市民歌が制定され、1962年には新たに2代目の市の歌も誕生しています。しかし、平成の大合併により新設合併を行った結果、旧市歌は廃止されることとなりました。合併当時、多くの自治体が新市歌の制定に向けた取り組みを忘れてしまう中、山口市は新市誕生と同時に市民歌の制定に着手しました。

制定過程

2006年1月1日、新しい山口市が発足する中で、有志たちが「山口市民テーマソング制作委員会」を設立しました。この委員会は、地域住民の想いを反映させるため、市民歌の歌詞を募集しました。応募作品の中から選ばれたフレーズを編集し、「山口市民」という名義で歌詞が完成しました。また、作曲と編曲を担当したのは、地元出身のシンガーソングライター、ちひろです。彼女は自身の歌声で楽曲を演奏し、地域の文化発展に寄与しています。

歌詞の増補と市民への浸透

その後、2010年には近隣の阿武郡阿東町が編入合併されることになりました。この合併協議において、山口市の市民歌は「ふるさとの風」に統一されることが決まり、以前から存在していた「阿東町民歌」を廃止する代わりに、歌詞の内容を増補する形で新たに改訂版が発表されました。これにより、山口市民全体が一つの歌で結びつくことができたのです。

現在、山口市では防災無線を通じて、毎日18時に市民歌『ふるさとの風』が流されており、住民に親しまれています。このような形で、再び地域の結束を高める一助として機能していることは、地域のアイデンティティを再確認させる要素となっています。

市民歌は、ただの楽曲ではなく、市民の誇りや愛着が表現されたコミュニティの象徴です。『ふるさとの風』を通じて山口市の歴史や文化を感じながら、地域の絆を深めていきたいものです。

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