ふれあいパル

ふれあいパルの概要

ふれあいパルは、日本国有鉄道（国鉄）および西日本旅客鉄道（JR西日本）が1986年から2007年まで保有していた鉄道車両のひとつであり、ジョイフルトレインの一種です。この車両は特に小口団体の輸送を目的に設計されており、洗練されたデザインと機能性を兼ね備えています。

改造の経緯

広島鉄道管理局では、従来、お座敷列車などのジョイフルトレインを保有していましたが、ふれあいパルはこれまでの車両とは異なり、より広い範囲の路線で使用できるように改造されたキハ58系気動車から成る2両編成です。この列車は、幡生車両所で改造が行われ、洋風のデザインでありながら日本の文化的感覚を取り入れた車内構造が特徴です。

「ふれあいパル」の愛称は一般公募され、2,000通以上の応募のなかから選ばれました。

編成

ふれあいパルは、以下の2両で構成されています。両車両はそれぞれ36名を収容できるグリーン車として扱われています。

• - キロ29 504（旧車両番号：キハ28 2431）
• - キロ59 507（旧車両番号：キハ58 1134）

構造

車体

ふれあいパルの車体は景観を重視し、新たに設けられた展望コーナーが特徴的です。車体前面には大きな窓が設けられ、専用のヘッドマークも取り付けられています。側面でもいくつかの扉や窓がふさがれ、それに代わる大きな窓が設置されています。また、荷物棚やサービス機器の配置により一部の窓が改変されています。

車体の塗装は若々しく軽快な印象を与えるため、灰色を基調とし、黄緑、ピンク、青の三色の帯を使用しています。2両の車体は同様に改造されていますが、一部形状に違いがあります。

車内

車内は全面絨毯敷きの掘りごたつ形式で、座椅子とテーブルを配置した9か所の掘りごたつが設けられています。これにより、訪れる人々はゆっくりと過ごすことができます。また、通路が330mm盛り上げられているため、掘りごたつスペースがスタイリッシュにデザインされています。

さらに、窓ガラスはスモーク仕様でカーテンは横引き式に変更され、照明も現代的な大形の室内灯が使われています。運転室の横には展望コーナーがあり、乗客は周囲の景色を楽しむことができます。

台車・機器

車両の台車や走行機器はそれ以前の構造と同じものが使用されており、DT22C形台車やDMH17Hエンジン、AU13A形冷房装置が配置されています。これにより、運行面でも信頼性の高い性能を維持しています。

運用

1986年4月に落成し、以降広島、山陰、九州などの小口団体臨時列車で幅広く活用されました。2007年10月28日には「さよならふれあいパル号」としての臨時運行を経て、11月に廃車となりました。

参考文献

• - 交友社『鉄道ファン』1986年7月号
• - 電気車研究会『鉄道ピクトリアル』1986年9月号

ふれあいパルは、JR西日本を代表する魅力的な車両として多くの鉄道ファンに親しまれていました。

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