へ〜せいポリスメン!!

『へ～せいポリスメン!!』は、稲葉そーへー氏による人気ギャグ漫画です。週刊ヤングジャンプで2010年から2014年まで連載され、全14巻で完結しています。舞台は交番。主人公は、型破りで自由奔放な新人巡査の轟豪（ごうごう）です。23歳という若さで、マイペースで自己中心的、お調子者な性格。上司や同僚を振り回しながらも、時折見せる警察官としての正義感と、彼の行動が思わぬ形で事件解決に繋がる場面も描かれています。

豪の上司である巡査長の木梨正造（きなししょうぞう）は、豪の奔放な行動に振り回されながらも、温厚で真面目な人物。豪の結婚を勘違いした際には、意外な一面も見せます。豪の同期である岩田雅司（いわたまさし）は、真面目そうに見えて実は変態気質というギャップのあるキャラクター。上司である黒澤淳（くろさわじゅん）への異常な憧れを抱いており、豪への嫉妬心を抱いています。

そして、豪の勤務する交番には個性豊かな人物たちが集まります。強気で生真面目な女性巡査部長の黒澤淳は、豪の行動にしばしば激怒し、暴力（体罰）を振るうものの、実は恋愛経験がなく、豪のストレートな言動を勘違いすることもあります。淳の友人である七瀬詩織（ななせしおり）は鑑識官で、情報収集好き。交番の隣にあるラーメン屋「王昇軒」の大将は、短気で客にすぐキレる一方、実は詩織に好意を抱いています。アルバイト店員の楊凛々（やなぎりんりん）は片言の日本語を話す謎めいた女性です。

その他にも、豪の後輩である森健太郎（もりけんたろう）や、豪の交番に新しく配属された新人女性巡査の笹沼千恵理（ささぬま ちえり）など、個性豊かなキャラクターが登場します。千恵理は元レディースの過去を持ち、豪と幾度か事件を通して絆を深めていきます。また、警察犬訓練所の堂本あづみ（どうもとあづみ）とその父である所長、堂本耕司（どうもとこうじ）、県警本部の刑事である冴島（さえじま）や上田（うえだ）など、物語を彩る脇役たちも魅力的です。

豪の母親である志津江（しずえ）は、豪と同様に勘違いが多く、淳をイメクラで働いていると誤解するなど、コミカルなエピソードを生み出します。正造の息子である優太（ゆうた）も登場し、父親似の体型で笑いを誘います。豪の同期の岩田が怪我で入院した際に配属された新人巡査の森健太郎は、筋肉自慢の大男で、詩織に好意を抱いています。しかし、淳からはゲイ、あるいはバイセクシュアルと誤解され、からかわれる対象となっています。

物語は、豪の日常を中心に、交番で起こる様々な事件や騒動、そして個性豊かな登場人物たちの関係性をコミカルに描いています。豪の奇妙な行動や、周囲の人々の反応、そして予想外の展開が連続し、読者に笑いと楽しさを提供します。単なるギャグ漫画にとどまらず、警察官たちの仕事や人間関係、そして友情や愛情といったテーマも織り込まれ、奥行きのある作品となっています。また、本作は単行本14巻に加え、作者公式サイトでは主要人物の紹介や壁紙の配布、グッズ販売、冴島刑事を主人公とした外伝漫画『冴島～小さな刑事（デカ）の物語～』のウェブ連載、そして2013年にはWebアニメも制作されています。

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