ほーむめーかー

『ほーむめーかー』：都会のマンションを舞台に繰り広げられる専業主婦の奮闘記

2004年、TBS系列の昼ドラマ枠「愛の劇場」にて放送された『ほーむめーかー』（Home Maker）は、愛の劇場35周年を記念して制作された話題作でした。元モーニング娘。リーダーの中澤裕子さんがドラマ初主演を務めたことでも注目を集めました。

本作は、専業主婦である山路いずみ（中澤裕子）が、神戸に単身赴任中の夫・孝輔を残し、息子・大輔と共に東京都内の超高層マンションで生活を始めることから物語が始まります。撮影は、埼玉県内にある高層マンション「エルザタワー55」で行われました。

都会の洗練されたマンションという舞台設定とは裏腹に、いずみの日常は、近隣住民とのトラブルや、子育ての苦労など、様々な騒動がコミカルに描かれます。近所の人々との人間関係、育児の大変さ、そして夫との距離感など、多くの現代女性が共感できるテーマが丁寧に描かれており、視聴者の心を掴みました。

さらに、『ほーむめーかー』は、NHKの連続テレビ小説やよるドラのように、毎週の放送回にサブタイトルを付けるという、愛の劇場では初の試みが行われました。この工夫により、各エピソードのテーマが明確になり、視聴者はよりストーリーに入り込みやすくなったと言えるでしょう。

キャスト陣も豪華な顔ぶれが揃いました。いずみの夫・孝輔役には河原雅彦さん、息子・大輔役には田中冴樹さん、そしていずみの周囲の人々には、斉木しげるさん、網浜直子さん、中村綾さん、若山詩音さん、綾田俊樹さん、田岡美也子さんなどベテランから若手まで幅広い俳優陣が出演。それぞれのキャラクターが個性的で、物語に深みを与えています。また、チュートリアルの徳井義実さんと福田充徳さんも出演し、コメディ要素も加わっています。

主題歌は、中澤裕子さんが歌う「DO MY BEST」。つんく♂さん作詞・作曲によるこの曲は、ドラマの世界観と見事にマッチし、多くの視聴者に愛されました。

スタッフ陣も実力派ぞろいでした。企画は渡辺信也さん、脚本は清水友佳子さんが担当。音楽は小林つん太さん、音楽プロデューサーは向井達也さん、キャスティングは阿部敏信さん、プロデューサーは鈴木聡さんが務めました。演出は岡島明さん、宮崎暁夫さん、大塚徹さんが担当し、制作はケイファクトリーとTBSが共同で行いました。

『ほーむめーかー』は、単なるホームドラマの枠を超え、現代社会における女性の生き方や、人間関係の複雑さ、そして家族の温かさなどを描いた、心温まる作品と言えるでしょう。中澤裕子さんの初主演作として、そして愛の劇場35周年記念作品として、多くの視聴者の記憶に刻まれた、忘れられないドラマとなりました。

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