ぼくは地球と歌う

『ぼくは地球と歌う』：新たな世代の物語

日渡早紀氏による人気漫画『ぼくは地球と歌う』は、『別冊花とゆめ』での連載を経て、『MELODY』で継続された作品です。前作『ボクを包む月の光』から4年後を舞台に、成長した主人公・小林蓮と幼馴染の日路子を中心に物語は展開します。本作は『ぼくの地球を守って』シリーズの第3章であり、次世代編IIとも呼ばれており、長きに渡るシリーズの歴史を継承する作品として注目を集めています。

成長とすれ違い

4年の歳月を経て、蓮と日路子は心身ともに成長を遂げています。以前は互いに何でも分かり合えると思っていた二人ですが、次第にすれ違いが生じ始めます。「好き」という感情に対しても、それぞれ異なる捉え方をするようになり、二人の関係に変化の兆しが見え始めます。

謎めいた少女とESP

物語は、月基地で前世を持つ者たちの会合が開かれているシーンから始まります。そこに、輪のような姿をした謎めいた少女、ヘンルーカが現れます。彼女は、ESPを餌食にする存在であり、その最大の標的が蓮の母親である小林亜梨子であることを告げ、騒動を引き起こします。この出来事が、物語全体を大きく動かす重要な転換点となります。

主要登場人物

小林蓮

主人公。小学6年生の少年。前作では衰えていた“守護天使”を見る能力は失われましたが、超能力は以前より強くなっています。幼馴染の日路子への意識も変化し、異性として意識するようになってきています。

薬師丸日路子

小学6年生の少女。超能力者ですが、蓮とは異なり、純粋な地球人です。そのため、超能力の使い方や在り方は蓮とは大きく異なり、「同調」することはありません。

小林地球子

蓮の妹。前作『ボクを包む月の光』で誕生しました。

ヘンルーカ (ヘンルーカ=ホリー=アース)

蓮が東京タワーで出会った謎めいた少女。EPIAで生まれ育ったと自称し、サージャリム一族の末裔だと名乗っています。人間ではない存在であり、その正体は物語の謎を解き明かす鍵となります。

ロジオン (シン＝ラキ＝セイ=ラ=ロジオン)

蓮の前世の姿であり、木蓮の父親。かつてはキチェスでしたが、マージと結婚し、純潔と共にキチェとしての立場を捨てました。蓮の中ではキサナドの管理者を務めています。

マージ

木蓮の母親でロジオンの妻。元キチェスであり、日路子の前世の姿でもあります。日路子に前世の記憶にとらわれず生きてほしいと願っており、蓮の友人「カプつん」が日路子の転生先であると嘘をついています。

アスワド

地球子の前世であり、ロジオンの世話役リム・リアン。紫苑の叔父でもあります。

オイさん

富士山近郊の神社に住む猫又。ヘンルーカの言葉を伝えたり、蓮をヘンルーカの母親の元へ連れて行ったりするなど、物語の重要な役割を担っています。感情によって体の大きさが変化する特徴があります。

シリーズとしての位置づけ

『ぼくは地球と歌う』は、『ぼくの地球を守って』シリーズ全体の物語を大きく前進させる重要な作品です。前作からの時系列、登場人物たちの成長、そして新たな謎の導入など、シリーズファンにとっても見逃せない要素が満載です。複雑な人間関係、謎めいた存在、そして壮大なスケールの物語展開は、読者に深い感動と興奮を与え続けています。今後の展開にも期待が高まります。

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