ぼくらの勇気 未満都市

ぼくらの勇気 未満都市：閉鎖された街の子供たちの物語

1997年、日本テレビ系で放送された『ぼくらの勇気 未満都市』は、KinKi Kidsの堂本光一と堂本剛をW主演に迎え、社会現象を巻き起こした青春ドラマです。嵐の相葉雅紀と松本潤も出演しており、彼らの連続ドラマ初出演作品としても知られています。

物語の舞台は、突如として閉鎖された千葉県幕原市。地震による災害と発表されたものの、実際には政府が極秘裏に進めていた微生物兵器「T幕原型」の流出によるバイオハザードが原因でした。成人はほぼ全員死亡し、生き残ったのは未成年者のみ。食料不足、暴力、混沌とした状況の中、子供たちは自らの手で秩序を築こうと奮闘します。

主人公は、友人を探して幕原市にたどり着いたヤマト（堂本光一）と、ボランティアを装い姉を探していたタケル（堂本剛）。彼らは様々な困難に遭遇しながら、ユーリ、キイチ、アキラ、モリといった仲間たちと出会い、絆を育んでいきます。ユーリ（宝生舞）は、男装して拳銃を持ち歩く強い女性ですが、その裏には悲しい過去が隠されています。キイチ（小原裕貴）はヤマトの親友で、最初は心を閉ざしていましたが、ヤマトの優しさに触れて友情を取り戻していきます。アキラ（相葉雅紀）とモリ（松本潤）は、最初はヤマトと対立する立場でしたが、やがて仲間になります。

T幕原型は、政府が研究していた、野菜の成長を促進する微生物です。しかし、人間には急速な老化と死をもたらすという危険な一面も持ち合わせていました。隕石の衝突によって人工衛星から落下し、幕原市を汚染したのです。政府は真実を隠蔽し、地震による災害と発表していました。

子供たちは、幕原市を「未満都市」と呼び、独自の旗まで作ります。彼らは食料の奪い合いなど、厳しい環境の中で生き抜こうとします。物語は、ヤマトたちが政府の陰謀に立ち向かう姿、仲間との絆、そして成長を描いています。

1997年版の最終回では、20年後の再会を約束して子供たちは別れます。そして2017年、その約束を果たすかのように、スペシャルドラマ『ぼくらの勇気 未満都市2017』が放送されました。スペシャルでは、T幕原型が地下で復活していたことが明らかになり、新たな脅威に直面する大人になった彼らを待ち受ける現実が描かれています。

このドラマは、子供たちのたくましさや友情、そして政府の隠蔽工作といった重いテーマを扱いつつ、爽快感と感動を与えてくれます。また、主要キャストが20年ぶりに再集結したスペシャルドラマは、当時のファンにとって感慨深いものとなりました。1997年版と2017年版、両方のドラマを通じて、人々の心に深く刻まれた作品と言えるでしょう。

キャストとその後

ドラマ終了後、キャストたちはそれぞれの道を歩んでいきます。ヤマト役の堂本光一は、その後も俳優として活躍。タケル役の堂本剛も、様々な分野で才能を発揮しています。ユーリ役の宝生舞は、芸能活動を続けながら、新たな魅力を見せています。また、アキラ役の相葉雅紀とモリ役の松本潤は、嵐として国民的アイドルに成長しました。

スペシャルドラマでは、大人になった彼らの姿が描かれています。ヤマトは教師、タケルは弁護士となり、それぞれに悩みや葛藤を抱えながら生きています。ユーリは既に亡くなっていますが、彼女の死は仲間たちに深い悲しみと、より強い繋がりをもたらしました。キイチは家族を持ち、アキラは建築士として成功しますが、政府との新たな戦いに巻き込まれることになります。モリはイタリアでレストランを経営しており、過去のトラウマと戦っています。

そして、彼らが再び集結する理由、それは復活したT幕原型という新たな脅威、そして、政府による隠蔽工作の続行です。再び、子供時代の経験と葛藤を抱えながら、大人になった彼らは幕原の街、そして自身の未来のために戦い続けるのです。

作品情報

放送期間: 1997年10月18日～12月20日（連続ドラマ）、2017年7月21日（スペシャルドラマ）
主題歌: KinKi Kids 「愛されるより 愛したい」
脚本: 遠藤察男、小原信治（連続ドラマ）、二木結希、小原信治（スペシャルドラマ）
演出: 堤幸彦、池田健司（連続ドラマ）、堤幸彦（スペシャルドラマ）
* 受賞歴: 第15回ザテレビジョンドラマアカデミー賞 撮影賞（連続ドラマ）

このドラマは、VHS、DVD、Blu-ray、そして動画配信サービスでも視聴可能です。ノベライズ版も出版されています。

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