まことじ

まことじ（まことじ）は、日本の漫画家です。新潟県新潟市で生まれ育ちました。インターネット上のプラットフォームや商業誌など、幅広い媒体で活動を展開しており、自身のユニークな経歴や実体験に基づいた作品を多く発表しています。

経歴と人物

新潟商業高校を卒業後、国家公務員III種試験に現役で合格し、上京しました。その後、関東圏で税務職員として勤務しましたが、漫画家としての道を本格的に志すため、公務員を退職し専業の漫画家となりました。

漫画家として活動を始めるきっかけは、専業となる以前の2008年頃に遡ります。当時からニコニコ動画に漫画を投稿しており、『らき☆すた』や『東方Project』といった人気作品の二次創作漫画を手掛けていました。公務員が執筆活動を行うには組織の許可が必要だったため、この時期は2009年に『ひぐらしのなく頃に』のアンソロジー本にイラストを無償で寄稿するなど、活動に制約がありました。

しかし、商業デビューの転機が訪れます。ハーヴェスト出版から、「税金の知識があり、かつ漫画を描ける人材」として、税金をテーマにした漫画の執筆依頼を受けたのです。イラスト制作に留まらず、書籍として出版するためには、公務員としての立場を離れる必要が生じました。この依頼を受けて深く悩んだ末、まことじは税務職員を退職することを決断しました。

2010年には、その依頼に応える形で商業デビュー作となる『のうぜい！〜同人作家のための確定申告ナビ〜』を出版しました。この作品は、同人活動を行うクリエイターが確定申告を行う際に役立つ内容であり、彼の元税務職員という経歴が存分に活かされています。商業誌での活動を開始した後も、ニコニコ静画をはじめとするインターネット上のプラットフォームでの漫画発表を継続しています。

作風とテーマ

まことじの作品には、自身の豊富な経験が色濃く反映されています。特に、元税務職員であったことから、経済や税金に関する話題が作中に織り交ぜられることが多く見られます。ニコニコ動画に投稿していた作品の中には、『東方Project』のキャラクターたちが減価償却について話し合ったり、会社経営に挑戦したりする様子を描いたものもあります。

また、2013年には自身が難病であるクローン病と診断されたことを公表しました。この病気との向き合い方も創作の糧としており、難病であることを「ネタになる」と捉え、自身の闘病経験を綴った『クローン病日記』を執筆するなど、個人的な困難な経験を作品に昇華させる姿勢を見せています。

主な作品

これまでに発表された主な作品は以下の通りです。

『のうぜい！〜同人作家のための確定申告ナビ〜』（2010年、ハーヴェスト出版）
『地球の調査に協力を』
『クローン病日記』
『壱億返済日記』 - 『ニコニコ漫画』
『男がいる！！』 - 『ニコニコ漫画』（2015年10月01日より連載）
『Please go home 遥さま』 - 『GANMA!』
『翼があっても飛べないわたしは、ゲーム部に入ることにした』 - 『GANMA!』（2017年2月26日 - 2019年）
『絶対天使になりたくない』 - 『GANMA!』（2019年2月26日 - 2020年3月9日）
『7日間!魔王討伐チャレンジ』 - 『GANMA!』（2020年06月28日より連載）
『月が爆発したので』 - 『月刊アクション』（2014年3月現在連載中）

元公務員という異色のキャリアから得た専門知識と、自身の病気との向き合い方を作品に昇華させることで、読者に独特の視点と共感を呼ぶ作品を提供し続けています。今後もその多様な経験をどのように漫画表現へと繋げていくのか、注目が集まる漫画家です。

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