またまたあぶない刑事

またまたあぶない刑事：横浜を舞台にした痛快アクション

1988年、前作『あぶない刑事』の大ヒットを受け、劇場版シリーズ第2作として公開された『またまたあぶない刑事』。一倉治雄監督の映画デビュー作でもあり、配給収入10億5000万円という興行成績を収め、1988年度邦画配収ランキングで第8位にランクインするなど、大きな成功を収めました。前作と合わせてトップ10入りを果たしたことも特筆すべき点でしょう。

本作では、シリーズ恒例となっている軽快なアクションとスタイリッシュな演出に加え、複雑に絡み合う複数の事件が物語に深みを与えています。シリーズ作品としては唯一、おなじみのテーマ曲「RUNNING SHOT」が使用されていない点も特徴の一つです。

ストーリー：二つの事件が交錯する

物語の中心となるのは、鷹山敏樹と大下勇次、おなじみの二人組です。彼らは、表向きは若手実業家として成功を収めているものの、裏では賭博や売春、麻薬など様々な非合法ビジネスに手を染めている長峰由紀夫という男を捜査しています。

捜査中に麻薬密売人を逮捕するも、翌日には証拠不十分で釈放されてしまうという事態が発生。その後、密売人から保護を求める電話を受けた直後、その密売人は殺害されてしまいます。残された「爆破」というキーワードから、長峰がテロ計画を企んでいる可能性が浮上します。

捜査を進める中で、港署管内で発生した幼稚園児誘拐事件に巻き込まれます。人質の中には、国家機密法案反対派の代議士の娘も含まれていました。鷹山と大下は、誘拐犯との交渉にあたり、人質を救出することに成功しますが、身代金は強奪されてしまいます。

その後、ルポライターの萩原博美との協力によって、誘拐事件と長峰の関与、そしてテロ計画の繋がりが明らかになっていきます。鷹山と大下は長峰の手下を追い詰めるも、逆に巧妙な罠に嵌められていきます。

登場人物：個性豊かなキャラクターたちが織りなす人間模様

本作には、個性豊かなキャラクターたちが登場します。

長峰由紀夫: 若手実業家として成功を収めながら、裏では様々な犯罪に関与する謎めいた男。国家機密法案推進派の非合法エージェントとしての顔も持ち、大規模なテロ計画を企てています。鷹山と大下を執拗に追い詰めます。
萩原博美: 長峰の密着取材を行うルポライター。最初は長峰に情報をリークする立場でしたが、鷹山と大下の行動に触れる中で、徐々に心境が変わっていきます。
佐久間竜二: 長峰配下の工作部隊のリーダー。誘拐事件で手に入れた身代金を使い、鷹山と大下を買収しようとします。
緒方充: 長峰が運営するコカイン密売組織の末端構成員。長峰の計画に巻き込まれ、殺害されてしまいます。

その他にも、港署の同僚や様々な関係者など、多くのキャラクターが登場し、物語を彩っています。

キャストとスタッフ

本作には、舘ひろし、柴田恭兵といったシリーズおなじみのキャストに加え、伊武雅刀、宮崎美子など豪華な俳優陣が出演しています。スタッフ陣も、脚本、音楽、撮影などあらゆる面で高い技術力を発揮しています。

映像ソフトと配信

『またまたあぶない刑事』は、DVD、Blu-ray、そしてHuluなど様々な媒体で視聴可能です。DVDとBlu-rayには、メイキング映像や予告編、スタッフ座談会など、多くの特典映像が収録されています。

まとめ

『またまたあぶない刑事』は、痛快なアクションと複雑なストーリー展開、そして個性豊かなキャラクターたちが織りなす人間ドラマが魅力の作品です。シリーズ作品の中でも、特に高い完成度を誇る作品の一つと言えるでしょう。当時、社会現象を巻き起こした理由が、改めて理解できる作品です。

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