まぼろしのペンフレンド
まぼろしのペンフレンド
『まぼろしのペンフレンド』は、1970年に眉村卓によって発表されたSFジュブナイル小説です。この作品は1966年から1970年にかけて『中学一年コース』に連載されており、岩崎書店の「SF少年文庫」シリーズの一部として発売されました。また、1974年と2001年にそれぞれ異なる様式でテレビドラマ化されています。
概要
物語は東京に住む中学生、渡辺明彦を中心に展開します。明彦は文通が趣味の少年で、昔、さまざまなペンフレンドとの手紙のやり取りを楽しんでいましたが、現在は限られた数名の友人とだけ交流しています。ある日、大阪からの見知らぬ差出人、本郷令子から手紙が届きます。内容は「あなたの生活について詳しく教えてほしい」というもので、調査費として一万円が同封されていました。この手紙の送り主の住所を調べると、実在しない場所であることが発覚します。
手紙のやりとりを続けるうちに、明彦の周りには彼そっくりの偽者が現れ始め、物語は次第に緊迫感を増していきます。ついには本郷令子から、「東京に行くので迎えに来てほしい」という手紙が届きますが、その続きは明彦自身が体験する驚くべき真実へと導かれていきます。
登場人物
- - 渡辺明彦: 物語の主人公で、東京に住む中学一年生。文通が趣味。
- - 伊原久美子: 明彦のクラスメートで、物語における重要なキャラクター。
- - 本郷令子: 自称明彦のペンフレンドで、物語の中でのミステリアスな存在。
- - 渡辺和彦: 明彦の兄で、高校生。
書誌情報
『まぼろしのペンフレンド』は1970年に北書店から発行され、その後1976年に角川文庫から再版されました。2006年には講談社青い鳥文庫版が復刊され、イラストは緒方剛志によって描かれています。
テレビドラマ
作品は二度テレビドラマ化されましたが、いずれの作品も現在、再視聴が困難です。
NHK『少年ドラマシリーズ』版
1974年にはNHK総合テレビで放送され、全9話構成となっています。原作に加え、オリジナルキャラクターの木田めぐみが登場します。映像は残念ながら現存していないため、詳細は謎に包まれています。
キャスト
NHK『ドラマ愛の詩』版
2001年には《幻のペンフレンド2001》というタイトルで、NHK教育テレビにて放送されました。この版では多くの設定が改変されています。現在、この作品もソフト化や配信は行われていません。
キャスト
『まぼろしのペンフレンド』は、SF的要素を含みつつ、友情や信頼、そしてミステリーが交錯する魅力的なストーリーとして、多くの読者や視聴者に愛されてきました。
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