まんがタイムラブリー

まんがタイムラブリー

『まんがタイムラブリー』は、かつて芳文社から発行されていた4コマ漫画専門の雑誌です。主に若年層をターゲットとし、毎月13日に発売されていました。判型はB5で、初期と最終期には無線綴じの号もありましたが、大半の期間は中綴じでした。

歴史

その歴史は、1993年に『まんがホーム』の増刊としてスタートしました。当初は無線綴じでしたが、すぐに隔月刊化、そして中綴じへと変更されました。1994年には独立した雑誌として再出発し、月刊化されるとともに、通巻号数もこの号から改めてカウントされました。その後も綴じ方の変更や、特定の作家に焦点を当てた特集を組むなど、様々な試みが行われました。

2011年には、誌面のリニューアルが行われ、誌名ロゴも変更されました。しかし、リニューアルからわずか5号で休刊となりました。

1993年:『まんがホーム』増刊として創刊、隔月刊化、中綴じへ
1994年: 独立創刊、月刊化、無線綴じへ
1994年: 中綴じへ変更
1998年: 平綴じへ変更
2000年: 中綴じへ変更
2009年: 特定作家の特集開始
2010年: 全連載終了、リニューアル準備
2011年: リニューアル、誌名変更、休刊

傾向

リニューアル後は、笑いや起承転結に囚われない、物語性を重視したストーリー4コマが中心となりました。他の4コマ誌と比較して、ギャグ漫画が少ないことが特徴でした。雑誌の体裁も無線綴じに変更され、『まんがタイムきらら』系列よりもさらに若い世代をターゲットとしていました。

リニューアル前は、女性をターゲットとした誌面構成で、ライトな恋愛をテーマにした作品が多く掲載されていました。ストーリー形式の作品が多いことも特徴の一つでした。

かつては『まんがタイムジャンボ』や『まんがタイムスペシャル』も同様の路線でしたが、2000年代中盤以降は男性読者層へとターゲットを変更しました。そのため、『まんがタイムラブリー』は、系列誌の中で唯一、純粋な女性向け4コマ誌としての位置づけを保っていました。しかし、実際には男性向けの萌え系4コマ作品も掲載されており、男性読者も少なくありませんでした。

リニューアル後に掲載された作品

あまえび書店のクララさん （岡井ハルコ）
うみそらノート （玉置勉強）
おばけの学校 （時任奏）
カフェは今日もにくきゅう日和 （都波みなと）
帰宅部活動中! （ハラヤヒロ）
きゅうト! 〜吸血sweet〜 （よねやませつこ）

リニューアル前まで連載されていた主な作品

サクラ町さいず（松田円）
あさぎちゃんクライシス!（弓長九天）
天使な小悪魔（芳原のぞみ）
うさぎのーと（師走冬子）
Welcome! つぼみ園（おーはしるい）

過去に連載されていた主な作品

わたしひとえでーす（こだま学）
ナオミだもん（こだま学）
ガテンのカコちゃん（野中のばら）
ぺんぎんoffice（いでえいじ）
すーぱータムタム（小池田マヤ）

表紙の変遷

4コマ誌では、表紙イラストが特定の作家によって複数月連続で担当されることが一般的です。『まんがタイムラブリー』は、まんがタイム7誌の中で最も表紙の変更が多い雑誌でした。

こだま学（わたしひとえでーす）
こだま学（ナオミだもん）
小池田マヤ（すーぱータムタム）
こだま学（キャッチ・ミーII）・千葉なおこ（OLパラダイス）合同表紙
森本みゆき（きまぐれ三重奏）

特集対象作家

大乃元初奈
師走冬子
藤凪かおる
辻灯子
芳原のぞみ
* 松田円

『まんがタイムラブリー』は、その短い歴史の中で、様々な変化を遂げた雑誌でした。その変遷は、4コマ漫画雑誌の多様性と可能性を示唆していると言えるでしょう。

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