まんが猿飛佐助

『まんが猿飛佐助』は、1979年10月9日から1980年4月15日にかけて、東京12チャンネル（現：テレビ東京）で放送されたテレビアニメシリーズです。全24話が製作され、東京12チャンネルとナックの共同制作によって世に送り出されました。放送時間は毎週火曜日の19時30分から20時00分でした。

物語は、江戸時代が幕を開けたばかりの17世紀初頭、天下分け目の関ヶ原の戦いを制した徳川家康が全国支配を進めようとしていた時代を背景にしています。信濃国の領主である真田幸村に仕える若き忍者、猿飛佐助が主人公。彼は、同じく幸村の家臣である怪力の三好清海入道や美形の少年忍者・霧隠才蔵といった仲間たちと共に、主君である幸村の命を狙う伊賀忍者軍団に立ち向かいます。

佐助は当初、戦で手柄を立てるために忍術を学んでいましたが、関ヶ原の戦いの凄惨な光景を目の当たりにし、戦の悲惨さを深く理解します。この経験を経て、彼は忍術を戦いをなくすために使うことを決意。その純粋で優しい心を認められ、甲賀忍術の奥義書を授けられます。師である戸澤白雲斎の導きにより幸村のもとへ向かった佐助は、幸村の温情に触れてその家臣となるのです。佐助は、「オン・キリキリバサラ・ウンハッタ」という密教のマントラをアレンジした呪文を唱えることで、火遁の術や変身術など、強力な甲賀忍術を繰り出します。一方で、可愛い女の子にはめっぽう弱いという少年らしい一面も持ち合わせています。

主要な登場人物には、佐助の他、穏やかで無益な争いを好まない真田幸村（声：池田勝）、佐助と共に行動することが多い怪力自慢の破戒僧・三好清海入道（声：西尾徳）、清海になつく賢い犬の六兵衛（声：清川元夢）、各地で情報収集を行う美形の忍者・霧隠才蔵（声：三橋洋一）などがいます。また、佐助の師匠であり、凄腕ながら隠遁生活を送る甲賀の老忍者・戸澤白雲斎（声：丸山詠二）、白雲斎の娘で佐助と共に修行した心優しいさくら（声：高木早苗）、幸村の美しい娘である雪乃姫（声：佐々木由美子）といった面々が物語を彩ります。

佐助たちの敵となるのは、徳川家康に仕える冷酷な伊賀忍者頭領・服部半蔵（声：飯塚昭三）と、その配下である伊賀百人衆。彼らは幸村の暗殺や軍用金の強奪を企てます。家康の側近である柳生但馬守（声：藤田栄一）は、半蔵に悪辣な指示を与える策謀家です。また、半蔵の妹・服部しのぶ（声：野崎貴美子）は、変装術で佐助たちを翻弄しますが、佐助に命を救われたことから彼を慕うようになり、伊賀を抜けて陰ながら佐助を助けるようになります。物語の後半からは、バテレン妖術を使う魔竜道人（声：飯塚昭三）が新たな敵として登場し、佐助を追い詰めます。

本作の制作には、監督の東條昭平をはじめ、脚本構成の伊東恒久、キャラクターデザインの岡迫亘弘、音楽担当の水野純交、大島佑一など、多くのスタッフが携わりました。

主題歌も印象的で、オープニングテーマには「さるとび参上」、エンディングテーマには「佐助翔べ」が使われました。どちらの楽曲も作詞を伊東恒久、作曲・編曲を山本正之、歌唱をアクエリアスが担当しています。

『まんが猿飛佐助』は、戦乱の時代を生きる少年忍者の成長と、仲間との絆、そして平和への願いを描いた冒険活劇として、当時の視聴者に親しまれました。幸村を巡る攻防や、甲賀と伊賀の忍術合戦が見どころの作品です。

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