みちのく麺食い記者 宮沢賢一郎

みちのく麺食い記者 宮沢賢一郎

『みちのく麺食い記者 宮沢賢一郎』は、人気作家・相場英雄が生んだ一連の推理小説シリーズ、およびこれを原作として制作されたテレビドラマです。地方を舞台に、独特の視点を持つ新聞記者が難事件に挑む物語が展開されます。

小説シリーズ

相場英雄による原作小説は、主人公・宮沢賢一郎が東北地方を中心に各地を訪れ、その土地ならではの麺料理を堪能しながら事件の謎を追う姿を描いています。シリーズは2010年に発表された第六巻『偽計』をもって一度区切りを迎えましたが、三年間の沈黙を経て2013年には新たな物語『共震』が刊行され、再び読者を魅了しました。

小学館文庫や双葉文庫から刊行されており、主なタイトルとして『奥会津三泣き 因習の殺意』、『佐渡・酒田殺人航路』、『奥津軽編 完黙』、『誤認』、『追尾』、『偽計』、そして『共震』があります。それぞれの作品で異なる舞台設定と、その土地の食文化、特に麺料理が物語に彩りを添えています。

テレビドラマ

原作小説は、テレビ東京とBSジャパンの共同制作によりテレビドラマ化されました。「水曜ミステリー9」枠で放送され、2012年から2014年にかけて全三作が制作されました。主人公の宮沢賢一郎を演じたのは俳優の髙嶋政宏です。

ドラマシリーズは以下の三回が放送されました。

第1作： 佐渡・酒田 殺人航路 (2012年)
第2作： 完黙 (2013年)
* 第3作： 誤認 (2014年)

主な登場人物

物語の中心となるのは、大和新聞の遊軍記者である宮沢賢一郎です。彼は食、特に麺類に深い造詣を持つことから「麺食い記者」の異名で知られています。各地の支局を転々としながら取材活動を行いますが、過去には事件記者として活動していました。三年前、汚職事件の張り込み中に遭遇した痛ましい一家心中事件がトラウマとなり、それ以降、事件報道に直接関わることが難しくなっています。しかし、その記者としての勘と、各地で出会う人々との交流を通じて、様々な事件に巻き込まれ、真相を解き明かしていきます。演じるのは髙嶋政宏です。

また、警視庁捜査二課の管理官である田名部昭治も重要な登場人物です。宮沢とは古い付き合いで、三年前の張り込みを共に経験しました。その際、宮沢の作るラーメンを食したことがきっかけで、彼もまた「麺食い」になったというユニークな設定があります。演じるのは渡辺いっけいです。田名部の部下である班長の真藤守も登場します。

各回のドラマには、物語の舞台となる地域の人々や事件の関係者として、多彩なゲスト俳優陣が出演し、物語に深みを与えています。

スタッフ

テレビドラマシリーズは、原作を相場英雄、脚本を小谷暢亮、清本由紀が手がけ、監督は金佑彦が務めました。制作はテレビ東京、BSジャパン、ユニオン映画が担当し、アップサイドや映広、京映アーツなどが技術・美術面で協力しています。

小説、ドラマともに、地方色豊かな風景や食文化を背景に、人間ドラマと複雑な謎が絡み合う骨太な推理劇が魅力のシリーズです。

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