みどりの機関車ヘンリー

みどりの機関車ヘンリー（汽車のえほん6）

この絵本は、ウィルバート・オードリー牧師によって1951年にイギリスで発行され、低学年の児童を対象としたシリーズ「汽車のえほん」の第6巻です。特徴として、シリーズ中では唯一、5つの短編が収録されています。また、日本語訳は1973年にポプラ社から出版された後、2005年に新装改訂版が出され、2010年にはミニ新装版も販売されました。

概要とシリーズの流れ

このシリーズは1945年から続き、毎年1巻ずつ新しい物語が登場しています。第6巻には、これまでの物語で度々不調を訴えていたヘンリーがメインとなるエピソードが4篇収められていて、さらに新たなキャラクター、パーシーの短編も含まれています。また、この巻からは登場する機関車たちに番号が振られ始めました。

収録作品

本巻に含まれる物語は以下の通りです：
1. ヘンリーと石炭 (Coal)
2. ヘンリーとフライング・キッパー号 (The Flying Kipper)
3. ゴードンのきてき (Gordon's Whistle)
4. パーシーのマフラー (Percy and the Trousers)
5. ヘンリーのくしゃみ (Henry's Sneeze)

特記事項として、本巻はシリーズの中でもページ数が最も少ないものとなっており、収録されている物語の一つには特別な理由があり、原語版ではその詳細が説明されています。

登場機関車とその特徴

この巻では、機関車たちに関する詳しい情報も提供されています。特にヘンリーは、大規模な改造を受けて外見が変わり、ゴードンとは異なる姿に生まれ変わりました。この改造を受けたことにより、以前とは異なる魅力を持つ機関車となっています。また、挿絵の整合性も保たれるよう配慮されており、以前の作品に比べてダルビーの描くイラストがしっかりとした形で表現されています。

そのほかにも、ジェームスやパーシー、トーマス、エドワード、ゴードンといったキャラクターたちが新たなエピソードの中で活躍しています。たとえば、ジェームスの車輪は本来の色に戻り、パーシーは牧師の描く指示に従ってデザインの一部が修正されています。

その他の要素

本書の前書きでは、特に機関車たちに番号が付けられたという重要な点が記されています。この巻から「サー・トップハム・ハット」という局長の名前が初めて正式に明記され、物語にさらなる深みを与えています。

また、この作品の挿絵についても触れられていますが、特にP21における夜明けを背景にしたヘンリーの情感豊かな描写が特に評価されています。ダルビーが得意とする風景描写が美しく織り交ぜられており、物語がより一層印象的に仕上げられています。

このように、『みどりの機関車ヘンリー』は、子どもたちに夢と冒険の世界を提供する魅力ある絵本であり、多くの家庭で親しまれている作品となっています。

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