みの (YouTuber)

みの

みのは、日本のYouTubeクリエイター、ミュージシャン、音楽評論家、そしてレコードバー「烏龍倶楽部」の経営者という、多方面で活躍する人物である。ミュージシャンとしては「ミノタウロス」名義で活動し、UUUMに所属。自身の音楽レーベル「*SUPERNORMAL」も主宰している。

来歴

幼少期から音楽への目覚め

アメリカ人の父と日本人の母のもとに生まれたみのは、幼い頃から両親が聴いていたビートルズなどの音楽に親しみ、その世界に魅せられていった。最初に手にした楽器はドラムだったが、当時は資金が乏しく、購入できたのはスティックのみ。そこで集めた段ボールを使ってドラムキットを自作し、演奏に明け暮れたという。しかし、次第に物足りなさを感じるようになり、より表現の幅を広げるためにギターを始めることとなる。

「カリスマブラザーズ」での成功と音楽活動の並行

20代半ば頃までブルースバーでギタリストとして活動していたみのは、音楽家としてのキャリアアップに焦りを感じ始めると同時に、当時急速に台頭してきたYouTubeに可能性を見出す。共通の知人を介して出会ったジョージ、ジローと共に、2014年に人気YouTuberグループ「カリスマブラザーズ」を結成。インターネット上での活動を開始した。YouTuberとしての活動と並行して、同年にはイアン・クロフォードらとロックバンド「The Contestants」を結成し、精力的に音楽制作と演奏活動を行った。2017年には自身のソロプロジェクト「ミノタウロス」を始動させ、音楽家としての個性を追求。同年10月には初の音源となる「恋のチンチン電車」をカセットテープでリリースした。さらに、2018年にはThe Contestantsとしてファーストアルバム『No Contest』を発表。同年、「カリスマブラザーズ」はチャンネル登録者数100万人を達成し、YouTube界でも確固たる地位を築いた。

個人活動「みのミュージック」の展開

2019年 1月31日をもって「カリスマブラザーズ」が解散したことを機に、みのは個人での活動に注力する。自身の名を冠したYouTubeチャンネル「みのミュージック」を開設し、音楽評論家としての深い知識と洞察を活かした動画を配信。音楽の歴史、様々なジャンル、アーティストに関する独自の解説は多くの音楽ファンから支持を集めている。個人活動開始後もミュージシャンとしての歩みを止めず、2020年2月にはミノタウロスとして初のワンマンライブを成功させ、同月5日には待望のファーストアルバム『肖像』をリリースした。また、音楽に関する執筆活動も行っており、2021年5月1日にはKADOKAWAから著書『戦いの音楽史逆境を越え世界を制した 20世紀ポップスの物語』を上梓。音楽を多角的に発信する活動を展開している。2022年 5月には、現代アーティストの村上隆氏が手がけるNFTプロジェクト「Murakami. Flowers」への楽曲提供を行うなど、新たな分野への挑戦も続けている。私生活においては、2025年 5月17日に、元アイドルグループGANG PARADEのテラシマユウカとの結婚および第1子の妊娠を発表している。

音楽的背景とルーツ

みのが形成する音楽性の根底には、多様なルーツと深い探求心がある。特に、モノラル盤レコードとの出会いは彼にとって大きな転機となった。音楽関係者から聞いたフィル・スペクターの7インチモノラル盤の「すごい音」を半信半疑で聴いた経験が、レコードの世界への傾倒につながったという。自身の楽曲「恋のチンチン電車」を7インチ盤としてリリースする際には、単なる懐古趣味から一歩進み、音楽の作り手としてレコードという媒体と真剣に向き合うことの重要性を痛感したと語っている。彼にとってビートルズは「稲妻が走ったような衝撃」を与えた絶対的な存在であり、その音楽観に深く影響を与えている。また、最も好きなギタリストとしてジェフ・ベックを挙げており、ファンから贈呈されたギターが、かつてベックが使用していたギター（ピックガードの一部が欠けている）に似た仕様であったというエピソードからも、その強い影響が見て取れる。

主な活動実績

YouTubeでの発信や音楽制作、執筆活動に加え、みのは様々なメディアやプロジェクトに関わっている。ラジオでは「Tokyo Highway Radio」や「みのらじ」などでナビゲーターを務め、音楽に関する豊富な知識を披露。テレビ番組では「関ジャム完全燃SHOW」をはじめ、音楽やカルチャー関連の企画に出演し、音楽評論家としての知見を発揮している。2018年には映画『イマジネーションゲーム』に本人役で出演した経験もある。著書としては、『戦いの音楽史』に加え、2024年には『にほんのうた音曲と楽器と芸能にまつわる邦楽通史』を出版。音楽家としては、ミノタウロスやThe Contestants名義での自身の作品に加え、他のアーティストへの楽曲提供（樋口楓「たこ焼きロック」など）や、様々なプロジェクトへのレコーディング参加（UCC BLACK無糖 CMソング、テレビドラマ「パリピ孔明」音楽など）も行っている。これらの幅広い活動を通じて、みのは音楽という文化の多様な魅力を伝え、その探求を続けている。

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