みやこパラダイス

みやこパラダイス

みやこパラダイスは、沖縄県の宮古島市、具体的には上野地区の野原にかつて設けられていたテーマパークです。この施設は、亜熱帯地域に生息する様々な種類のチョウを展示する広大な蝶園を中核としていました。色鮮やかなチョウたちが舞い飛ぶ様子を間近で観察できる点が最大の特徴であり、訪れる人々に南国の自然と生命の息吹を感じさせる場所でした。

沿革と施設の詳細

このテーマパークの歴史は、1995年（平成7年）7月に始まりました。有限会社パラダイスプランが事業主体となり、当時の旧宮古郡上野村に既に存在していた観光農園「トロピカルフルーツパーク」の一部を賃借する形で開設されました。

施設内には、蝶園以外にも多様な設備が整えられていました。亜熱帯地域に分布するオオゴマダラ、シロオビアゲハ、リュウキュウアサギマダラといった代表的な種類を含むチョウたちが生きた状態で展示され、来園者はその生態を学ぶことができました。また、薬草ハーブ園では珍しい植物が紹介され、土産品店では宮古島の特産品や関連グッズが販売されていました。さらに、敷地内にはレストランも併設されており、食事や休憩を取ることも可能で、一日を通して楽しめる滞在型施設としての側面も持ち合わせていました。

賑わいと衰退、そして閉園へ

開園後、みやこパラダイスは宮古島を訪れる観光客にとって魅力的なスポットとして認知されるようになります。特に団体バスツアーの行程に組み込まれることが多く、多くの観光客で賑わいました。そのピークは2006年（平成18年）頃に訪れ、年間売上高は約1億5000万円、来園者数は年間約7万人に達するなど、順調な経営状況を維持していました。

しかし、時間の経過とともに来園者数は緩やかに減少傾向を示し始めます。2010年（平成22年）には、年間売上高が1億円、来園者数も5万5000人にまで減少するなど、経営状況は悪化していきました。この状況に対し、施設側は経営の立て直しを図るべく、段階的な施設の見直しを行います。2011年（平成23年）4月には、まずレストランの営業を終了し、そのスペースを菓子製造のための工場へと改装しました。

しかし、こうした取り組みも根本的な経営改善には繋がらなかったようで、同年11月30日には、施設の核であった蝶々園および土産品店の閉鎖が決定されました。これをもって、みやこパラダイス全体がその役割を終え、閉園する運びとなりました。

閉園後の土地利用

みやこパラダイスが閉園した後も、その敷地を賃借していた母体である観光農園「トロピカルフルーツパーク」自体は運営が継続され、引き続き利用可能な状態でした。

また、旧みやこパラダイスの敷地の一部は、新たな公共施設用地として活用されることになります。2014年（平成26年）5月には、宮古島市伝統工芸品センターがこの場所に新築移転し、開館しています。これにより、かつて蝶たちが舞っていた土地は、地域の伝統文化を継承・発信する拠点へと生まれ変わりました。

アクセス

みやこパラダイスが存在していた頃の主なアクセス手段は自動車でした。宮古島空港からは、沖縄県道190号平良新里線を上野方面へ向かうルートで、約4キロメートル、所要時間はおよそ7分程度でした。

みやこパラダイスは、その存在期間は比較的短かったものの、宮古島の観光の一翼を担い、亜熱帯の美しいチョウたちの魅力を多くの人々に伝えた施設として記憶されています。

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