みろく庵

みろく庵の歴史と魅力

みろく庵（みろくあん）は、東京都渋谷区千駄ヶ谷にかつて存在した蕎麦店兼居酒屋で、1982年の創業以来36年以上にわたり多くの人々に愛されてきました。千駄ヶ谷駅から近く、また将棋会館もすぐそばにあったことから、棋士たちにとって特別な場所として知られていました。特に2017年には藤井聡太四段が連勝記録を打ち立てた際に、対局中に出前をとる店として全国的に注目を集めることになります。

将棋界との深い関わり

みろく庵は棋士たちの出前のメッカでもありました。将棋会館での対局中、加藤一二三や羽生善治、渡辺明といった名棋士たちがこの店の料理を楽しんでいました。特に藤井聡太は、2016年のデビュー戦で「味噌煮込みうどん」を注文し、その後も重要な対局で店のメニューを頻繁に頼んでいました。2017年6月26日の公式戦では「豚キムチうどん」を頼み、ファンの間でそのメニューを求める声が高まり、売り切れになることもしばしばでした。

藤井の連勝記録を止めた佐々木勇気は「肉豆腐定食」を選んでおり、これもまた話題を呼びました。また、丸山忠久は「唐揚げ定食」に追加で唐揚げを3個入れる注文をすることが定番で、この頼み方は「丸山定食」と名付けられてファンの間で有名でした。

「みろく庵」の特徴

先崎学によると、みろく庵の蕎麦は特徴的で「出前に強いそば」と評されていました。しっかりとしたコシと角があるため、伸びにくく、質の高い食事を提供することができました。しかし、親子丼に関しては多くの客から不評で、村山慈明や藤井猛もその味を認めていたほどです。このように、メニュー全体のクオリティは高いものの、一部には残念なアイテムもあったようです。

閉店の経緯

みろく庵は2019年3月31日をもって閉店する運命を迎えました。ビルの建て替えに伴い、家主から立ち退きを求められたことが主な理由です。立ち退きの話が2月に無くなった際でも、すでに従業員たちの転職先も決まっており、高齢の経営者は閉店を守ることにしました。最終営業日の後、同年4月28日にはAbemaTVが主催する「AbemaTVトーナメント」のため再び店を使用し、「1日限りの復活」という形で人々の前に姿を現しましたが、これが最後の姿となりました。

まとめ

みろく庵は、将棋界やスポーツ界の著名人たちに愛された店であり、独自の歴史を持つ場所でした。閉店してしまった今でも、その味と記憶は多くの人々の心に残り続けています。新しい世代の蕎麦店への期待とともに、みろく庵の存在は次の世代へと語り継がれることでしょう。

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