みんなあつまれ! ワンダーパーク

映画『みんなあつまれ! ワンダーパーク』について

『みんなあつまれ! ワンダーパーク』（原題: Wonder Park）は、2019年に制作されたアメリカとスペインの共同アニメーション映画です。監督はディラン・ブラウンですが、後に彼はクレジットされていません。主役のジューン・ベイリー役はブリアンナ・デンスキーが担当し、映画は日本では劇場公開されず、2019年10月9日にDVDがリリースされました。

ストーリー

物語は、想像力あふれる少女ジューン・ベイリーが中心です。彼女の母親は、彼女に不思議な遊園地「ワンダーパーク」の物語を語り聞かせました。この遊園地は動物たちが管理しているという夢のような設定です。しかし、母親が病気になり、ジューンは心の支えを失ってしまいます。母を思う気持ちから、ジューンはワンダーパークをテーマにした自分の絵さえも焼却してしまい、かつての夢の世界から遠ざかります。

その後、ジューンの父親が彼女を数学キャンプに連れて行くことになりますが、ジューンは父親のメモに誤解を抱き、キャンプの途中で逃げ出し、森で廃墟と化したワンダーパークを見つけます。驚くことに、彼女が空想していた遊園地は現実に存在していました。

しかし、このワンダーパークはダークネスと呼ばれる脅威に包まれていました。ジューンは動物たちと共にテーマパークを再生しようとしますが、恐ろしいチンパンジーのゾンビと遭遇します。混乱の中で動物たちとはぐれ、無重力を体験できる施設に入り込み、そこでピーナッツという名の隠れていた動物に出会います。

ピーナッツはかつてはジューンの母親の声を聞いていたものの、その声が聞こえなくなったことで喪失感を抱えていました。この話を通じて、ジューンはダークネスが自分の心の中の闇を映し出していることに気づきます。やがてゾンビたちが施設に押し寄せ、ジューンは逃げる中でピーナッツが人質に取られてしまいます。

そんな中、ジューンは動物たちと再会し、ダークネスを引き起こした原因が自分にあると打ち明けます。この話を聞いた動物たちはジューンを見捨てますが、彼女は自らの力を信じ、遊園地のアトラクションを修復し、動物たちを救い出すために再び行動を起こします。

声の出演

本作には豪華な声優陣が出演しています。ジューン役には新井美羽が吹き替えを務めるブリアンナ・デンスキーの他、母親役に本名陽子、父親役に金谷ヒデユキが名を連ねています。さらに、ケン・ハドソン・キャンベルやミラ・クニスなど、多様なキャラクターたちが映画に彩りを加えています。

製作背景

本作の企画は2014年に始まり、2015年にはイリオン・アニメーション・スタジオズが関与すると報じられました。2018年の初め、監督のディラン・ブラウンは不適切な行動により解任され、クレジットなしでの制作が決定しました。この際、ピーナッツ役も変更となり、踏み込んだ問題を抱えながらも製作が進められました。

本作の音楽にはレイチェル・プラッテンが参加し、サウンドトラックには新曲も含まれています。公開日は数回変更され、2019年3月に全米で公開されましたが、批評家からの評価は賛否両論でした。

評価と興行成績

本作の初週末の興行収入は1585万ドルに達し、ランキングでも好成績を収めましたが、批評家からの評価は厳しく、Rotten Tomatoesでは34%の支持率となりました。Metacriticでも平均点は45点で、全体的には子供向けの娯楽作品としての位置づけがされています。

メディア展開

公開に先立ち、ワンダーパークをテーマにしたアプリゲームがリリースされ、またテレビアニメ化も発表されています。これにより、映画がもたらした世界観がさらなる展開を見せることが期待されています。

この作品は、想像力と現実の間で葛藤しながら成長していくジューンの物語として、観客に感動を与えることを目指しています。

もう一度検索