み空

金延幸子のファーストアルバム『み空』は、1972年9月1日にURCレコードからリリースされました。1960年代末に関西のアングラ・フォークシーンに登場した彼女は、プロテストソングにとらわれないポップな作風を早くから志向していました。

アルバム『み空』は、彼女が結成したバンド「愚」の解散後に制作されました。収録曲のほとんどは金延幸子自身が作詞・作曲を手掛けており、アコースティックギターの弾き語りを中心としたサウンドと、バンド演奏が加わったスタイルが混在しています。彼女の歌声は、ジョニ・ミッチェルを彷彿とさせる澄んだ高い声で、温かみのあるメロディを奏でています。

アルバムには、細野晴臣が編曲を手掛けた楽曲も収録されており、彼らの音楽的な交流を感じさせます。また、大瀧詠一が作曲した「空はふきげん」も収録されており、豪華なミュージシャンたちが参加しています。

小沢健二がコンサートのSEで本作を流したことがきっかけで、レコード店への問い合わせが殺到したというエピソードも残っています。このことからも、アルバム『み空』が多くの音楽ファンに愛され、影響を与えた作品であることが分かります。

収録曲

Side A

1. み空
2. あなたから遠くへ（編曲：細野晴臣）
3. かげろう
4. 時にまかせて（アルバム・バージョン）（編曲：細野晴臣）
5. 空はふきげん（作曲：大瀧詠一）
6. おまえのほしいのは何

Side B

1. 青い魚（編曲：細野晴臣）
2. 雪が降れば（ようこさんにささげる）
3. 道行き
4. はやぶさと私
5. 春一番の風は激しく（作詞：藤原明子）

ボーナス・トラック

1989年9月1日発売の『み空＋2』には、既発のシングル曲がボーナス・トラックとして収録されています。

1. 時にまかせて（シングル・バージョン）
2. ほしのでんせつ

レコーディング・メンバー

金延幸子 (ギター、唄)
吉野金次 (チェレスタ)
林立夫 (ドラム)
細野晴臣 (ベース・ギター、マリンバ)
中川イサト (エレキ・ギター、スライド・ギター)
鈴木茂 (エレキ・ギター)

スタッフ

プロデュース：泰政明、アート音楽出版
ディレクター：金延幸子、細野晴臣、吉野金次
エンジニア：吉野金次
アシスタント・エンジニア：古川誠、神成芳彦
デザイン：橋本正志、武士勇悟
写真：岩渕滋

『み空』は、金延幸子の才能と、当時の音楽シーンを代表するミュージシャンたちの才能が融合した、日本のフォークミュージック史に残る名盤と言えるでしょう。

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