むつみ屋

むつみ屋の歴史と成長

むつみ屋（むつみや）は、北海道の樺戸郡月形町に位置するラーメン店で、1996年に創業されました。創業者の竹麓輔は、大手の学習塾で管理職として勤務していた時期に副業としてラーメン店を開店しました。この初めての試みは夜間営業の形で行われたものの、繁盛しすぎて閉業することに。そこで彼は自らの店を持つ夢を果たすべく、知人の援助を受けて月形町に「らーめん むつみ屋」をオープンしました。

開店初日の客はわずか2名という少人数でしたが、むつみ屋は1997年に道新スポーツのラーメン大賞で受賞するなど、少しずつ名声を高めていきました。札幌にも出店し、本格的な展開を始めた1998年には、川崎市の溝の口に本州最初の店舗を開設。これが現在の本店となっています。

さらに、竹麓輔は2000年2月にテレビ東京の番組『愛の貧乏脱出大作戦』に出演し、3人同時にラーメン修業を行う姿を見せることで、一層注目を集めました。この頃には、むつみ屋の人気が全国的に広がってきました。

2000年6月には、株式会社ハートランドを設立し、ジンギスカンを提供する「カルニチン堂」など、飲食店の運営にさらに力を入れるようになります。むつみ屋は直営店とフランチャイズを合わせて100店舗以上を展開し、売上高は2004年12月期に41億円を超えるなど、確固たる地位を築いていました。

しかし、急速な事業拡大は借入金の増加をもたらし、競争の激化により一店舗あたりの来店客数は次第に減少しました。結果として、2012年12月期には売上が8億円にまで落ち込み、2013年11月1日に東京地裁に自己破産を申請しました。この申し立てと同時に、月形総本店も閉店することとなりました。

その後、株式会社ハートランドは自己破産に至ったものの、むつみ屋の営業権と商標権は株式会社YCP Retailingに譲渡されました。この新しい運営の元、2015年4月には赤坂で初めての出店を果たし、続いて都内にも2店舗目がオープンしましたが、その2店舗目は1年以内に閉店する結果となってしまいました。

2018年4月には、香港の飲食チェーンに売却されることになり、むつみ屋は新たな展開を迎えることとなりました。

このように、むつみ屋は数々の曲折を経ながらも、今なお人気と伝統のあるラーメン店として営業しています。約三十年にわたって、多くの人々に愛され続けているこの店は、地域の特性や客のニーズに応えたメニュー展開を続け、味とサービスを磨き続けています。

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