めぐり愛して

めぐり愛して

『めぐり愛して』は、1999年2月25日にソニー・ミュージックエンタテインメントから発売された恋愛シミュレーションゲームです。ディレクターには、名作『ときめきメモリアル』を手掛けた永山義明が起用され、プレイステーションプラットフォーム向けに制作されました。

ゲームの概要

本作の舞台は、主人公がかつて住んでいた街への帰郷です。幼少期に知り合った多くのキャラクターが在籍する高校に転入することにより、彼の学園生活が始まります。プレイヤーはこの主人公になりきり、友人との交流や恋愛の関係を深めたりして、充実した高校生活を楽しむことが求められます。物語は、主人公が高校2年生の文化祭前から、高校3年生の卒業式までの期間を見守りながら進行します。彼は卒業後に再会を約束した「親愛なる」人物との思い出を振り返りながら、道行きを描いていきます。

ゲームシステム

ゲームの進行は、プレイヤーによる行動のスケジュール管理を通じて行われます。行動は週単位で設定し、勉強、運動、交友などの活動を選択することが求められます。しかし、選択肢は具体的な行動までは制御できず、どの科目を勉強するかといった細かな部分は自動で決まります。これに加えて、土日は街や学校を自由に探索することで様々なパラメータを調整でき、登場人物との関係性構築や維持にも繋がります。

女性キャラクターとの関係性は、岡崎真由や瑞樹紗奈といった特定のキャラを除き、基本的にはプレイヤーの選択や行動によって開かれます。これらの関係をしっかりと育む必要があり、パラメータをバランス良く管理しなければ、悪評が広まり、せっかくの人間関係が壊れてしまう危険性があります。このような点から、女性キャラクターとの良好な関係を築くことが本作の重要な要素となります。

グラフィックと音楽

『めぐり愛して』のオープニング制作はグループタックが担当し、原画は有名な東映動画などが手掛けています。背景は美峰が制作しており、低解像度でありながらもドット絵は一貫して修正されずに使われているのが特徴です。

音楽面では、全楽曲を梶浦由記が制作。オープニング曲「恋の奇跡」は、後にカラオケやアルバムでも再録されています。他にも、エンディング曲「そばにいて」は星川龍美が歌っており、彼女はその後名前を数回変更しました。

登場人物

本作品には多彩なキャラクターが登場しています。

• - 瑞樹紗奈（声 - 北島智恵子）：著名な建設家の娘で、主人公の幼なじみ。
• - 岡崎真由（声 - 愛河里花子）：主人公の2年下の快活な後輩。
• - 茅野千秋（声 - 浅田葉子）：文芸部の静かな読書好き。
• - 相馬七恵（声 - 中川亜紀子）：料理部の優しい性格の女の子。
• - 本田遥夏（声 - 新山志保、荒川美奈子）：陸上部の明るい性格の持ち主。

これらのキャラクターとの交流が、プレイヤーの物語体験を深め、感情的な結びつきを生む鍵となります。

『めぐり愛して』は、若き日の思い出や人間関係の大切さをテーマにした作品であり、当時のファンの心に強く残るゲームとなりました。

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