もがり笛

テレビドラマ『もがり笛』：時代を超えた人間ドラマ

1967年10月17日から1968年1月9日にかけて、TBS系列で放送された『もがり笛』。木下恵介アワーの第2弾として、日産自動車の一社提供で毎週火曜21時に放送された名作ドラマです。全13話、モノクロフィルム作品で、G・エリオットの小説『サイラス・マアナー』を原作としています。

物語の舞台

物語は、曽我家と大滝家の複雑な人間関係を中心に展開します。曽我家の一平とその家族、そして大滝家の人々、それぞれの思惑や葛藤が繊細に描かれています。一平を取り巻く人々の様々な事情や、彼自身の内面的な変化、そして時代背景が織りなす人間模様は、視聴者を深く引き込みます。

豪華キャスト陣

江原真二郎演じる曽我一平を軸に、野々村潔、有川博、西尾三枝子、宝生あやこら、個性豊かな俳優陣が脇を固めます。大滝家には、長浜藤夫、穂高稔、中原ひとみ、富川激夫らが登場し、それぞれの役柄を熱演。さらに、花沢徳衛、竹脇無我といったベテラン俳優も出演し、物語に深みを与えています。脇役陣にも、多くの実力派俳優が名を連ね、作品全体の質を高めています。

木下恵介監督の演出

演出は川頭義郎と中新井和夫が務め、木下恵介自身の企画・脚本による作品です。木下恵介監督独特の演出により、時代を超越した普遍的なテーマが、視聴者に深く訴えかけます。人間関係の複雑さ、葛藤、そしてそれぞれの心の機微が丁寧に描かれ、多くの共感を呼びました。

音楽

音楽は木下忠司が担当し、主題歌「もがり笛」(作詩：阪田寛夫、作曲・編曲：木下忠司、唄：坂本節夫)がドラマの世界観をさらに盛り上げます。この主題歌は、ドラマを象徴する旋律として、視聴者の記憶に強く残りました。

『サイラス・マアナー』を原作に

原作はG・エリオットの小説『サイラス・マアナー』です。この原作を基に、木下恵介監督は日本の社会背景に合わせたアレンジを加え、時代を超越した普遍的なテーマを盛り込んだドラマに仕上げています。原作の持つ深遠なテーマを、現代の視聴者にも理解しやすいように、丁寧に映像化しています。

作品全体の評価

『もがり笛』は、豪華なキャスト、優れた脚本、そして木下恵介監督の演出力が見事に融合した、昭和期のテレビドラマ史に残る名作です。放送当時、高い視聴率を獲得し、多くの視聴者から高い評価を受けました。現在でも、その高い完成度から、多くのファンに支持されています。時代を超えて、多くの人々に感動を与え続ける名作として、高い評価を得ています。

スタッフ

原作：G．エリオット「サイラス・マアナー」
企画・脚本：木下恵介
演出：川頭義郎、中新井和夫
音楽：木下忠司
プロデューサー：山内静夫
制作：松竹、木下恵介プロダクション、TBS

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