もろ多玉枝・広多成三郎

もろ多玉枝・広多成三郎の歴史

もろ多玉枝（もろた たまえ）と広多成三郎（ひろた なりさぶろう）は、20世紀前半にかけて日本の漫才界で名を馳せたコンビです。このコンビは、戦前と戦後の時代を通じて活躍し、それぞれの個性的なキャラクターとスタイルで多くの観客を魅了しました。

来歴の概要

もろ多玉枝の経歴は不明な点が多く、どのようにして漫才の世界に入ったかは詳細にはわかっていません。一方、広多成三郎は奈良県出身で、かつて材木商を営んでいました。彼は1925年頃に荒川千成の門下生として演芸の道に足を踏み入れ、初めは「荒川成三郎」として知られていました。1929年には「荒川玉枝・成三郎」として吉本興業のメンバーとして名を連ね、その後は「馬漫才」と呼ばれる独特の漫才スタイルで知られるようになりました。

「馬漫才」とは、成三郎が細長く色白の玉枝を馬に見立て、漫才のすべてのボケやツッコミ、さらには落ちに至るまでが「馬」をテーマに展開されるスタイルです。このユニークなアプローチは観客に大きな笑いを提供しました。

戦後の活動

戦後は、戎橋松竹を拠点に活動を始め、のちには吉本興業の劇場でも舞台を踏むようになります。その後、コンビ名は名前判断によって「もろ多玉枝・広多成三郎」と変更されました。観客の求めに応じて度々メディアにも登場しましたが、徐々に淡々としたスタイルの舞台が多くなり、年配の漫才師として落ち着いた雰囲気が漂いました。

1960年、玉枝が亡くなるとコンビは解散してしまいましたが、玉枝の死後、成三郎は小唄の志津子（後の広多シズエ）と再婚し、新たに「牛漫才」というスタイルで舞台に立つようになりました。

音源や弟子について

もろ多玉枝・広多成三郎の芸を後世に伝えるために、彼らの音源は「澤田隆治が選んだ爆笑!漫才傑作集(5)」に収録されています。このように、彼らの漫才スタイルや独特の表現は現在も受け継がれています。また、弟子には古川一郎や二三子（のらくろショウ）が名を連ね、彼らの後を引き継いでいます。

メンバーの紹介

• - もろ多玉枝（本名：福士玉枝、1901年1月15日 - 1960年）

コンビの左側に立っていた彼は、初めは荒川玉枝として知られ、細長い白い顔立ちが「馬」と称される所以です。

• - 広多成三郎（本名：福士宇三郎、1899年6月4日 - 1974年）

奈良県出身の成三郎は、荒川千成の元で修行を重ね、初めは荒川成三郎として活動していました。彼もまた、玉枝の死後に広多シズエと共に新たに舞台に立つことになります。

このように、もろ多玉枝と広多成三郎は、漫才という芸能を通じてその名を広めただけでなく、後世に多くの影響を与えた漫才師たちの一つとなりました。

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