やおコミュニティ放送

FMちゃお（やおコミュニティ放送株式会社）

FMちゃおは、かつて大阪府八尾市を中心とした地域を放送区域としていたコミュニティFM局です。愛称は「FMちゃお」。地域に密着した情報発信と親しみやすい番組作りで、長年地元の人々に愛されてきました。

概要

1998年4月29日、八尾市の市制施行50周年を記念して開局。全国で96番目のコミュニティ放送局でした。本社スタジオは近鉄八尾駅前のアリオ八尾2階にあり、ガラス張りの開放的な空間が特徴でした。ロゴマークは八尾空港をイメージした飛行機のイラストを使用。イメージキャラクター「ラジラ（Radzilla)」やオリジナルテーマソング「ちゃおソング」もありました。

開局当初の資本金は1億円で、株主は八尾市や地元企業など76社・団体。大阪府下ではFM放送の周波数割当が逼迫している状況の中、79.2MHzの周波数が割り当てられ、当時は「滑り込み開局」とも言われました。

「届けます、元気と安心。繋げます、地域の絆」を活動目標に掲げ、年間2000件もの地域取材を行っていました。取材活動は主にタレントが行い、職員数は少数精鋭でした。アリオ八尾内に本社があるため、年末年始も休まず放送を続けました。

24時間放送を行っていましたが、2018年10月からは深夜0時～6時を放送休止とし、18時間放送となりました。

2023年9月21日、SNSの発達や経営環境の悪化、後継者不足などを理由に、2024年3月末での閉局を発表。2024年3月31日にはファイナルイベントを生放送し、最後に「ちゃおソング」を流して25年の歴史に幕を閉じました。

その後、地域新聞「八尾タイムズ」運営の株式会社八尾タイムズが運営を引き継ぎ、「やおFM」として2025年2月15日に開局予定です。

沿革

1998年：開局。本社・スタジオは近鉄八尾駅前ビルに開設。JR志紀駅前のボウルアロー内にサテライトスタジオを設置。
2000年：累積赤字のため財政立て直しに着手。スタジオを八尾市本町へ移転。中継車両を導入。
2003年：スタッフユニフォームをオレンジ色で統一。FMちゃお＝オレンジのイメージが定着。
2005年：ファミリーロード商店街にサテライトスタジオ「ファミスタ」をオープン。
2007年：JR柏原駅前にサテライトスタジオ「柏原アゼリアスタジオ」をオープン。
2008年：八尾市栄町にスタジオ機能を備えたサロンスペース「Studio792」をオープン。東大阪労働基準監督署から是正勧告を受け、社内労務規定を改正。
2011年：本社をアリオ八尾へ移転。3つの放送スタジオを新設。柏原市内のサテライトスタジオを一時撤退。
2012年：JCBAインターネットサイマルラジオに参加。インターネットでの番組聴取が可能に。
2013年：サテライトスタジオ「ファミスタ」の運用を終了。
2014年：柏原市からの情報提供番組を終了し、活動地域を八尾市内に集中。
2017年：送信アンテナの指向方向を変更、送信機の出力を10Wから20Wに増力。
2018年：開局20周年。記念事業としてspan!の冠番組放送開始。
2023年：FM HANAKOの閉局に伴いFM TANABEの番組をネット開始
2024年3月31日：閉局。
2025年2月15日：後継の「やおFM」が開局予定。

運営上の特徴

公式ホームページやSNSで八尾市内の情報を発信。自社制作の生放送番組はYouTubeでライブ配信。

番組・取材レポーターは「ルーキーリーグ」からのステップアップを基本としています。

平日と土日で番組構成・リスナーターゲットを意識的に変えています。

アリオ八尾を会場とした催事や公開生放送、公開収録などを数多く開催。

主な番組

はっぴぃくれよん
情報プラザやお
地域安全だより
アリナビラジオ!
青春年鑑

主要パーソナリティ

川口とも
北山ヒロト
志賀 萌
畔地祐希
もりの
木坂浩三
北村哲男
津田洸介

備考

送信所は八尾市役所屋上にあり、災害時には市役所から直接放送できるシステムを備えています。

八尾市議会議員選挙・市長選挙などの際には、投票率速報や開票速報を放送。

聴取可能エリア内での認知症による行方不明者の捜索放送も実施しています。

FMちゃおは、地域に寄り添い、地元の人々に愛される放送局として、25年の歴史を刻みました。閉局は残念ですが、後継の「やおFM」が開局することで、地域の情報発信は新たな形で続いていくことが期待されます。

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