やくざ刑事

やくざ刑事

『やくざ刑事』（やくざでか）は、1970年に公開された日本映画で、監督は野田幸男、主演には千葉真一が名を連ねています。この作品は東映によって製作され、カラー・シネマスコープで撮影された89分の長編です。『やくざ刑事シリーズ』の第一作として位置づけられ、多くのアクションシーンが特徴的な映画です。

解説

本作では、警察名簿から抹消された秘密捜査官が暴力団組織に潜入して、悪の組織を壊滅させる活躍を描いています。千葉真一は、腕利きの捜査官でありながら、異性や金に対して未練を持つという、通常の刑事像とは異なるキャラクターを演じています。彼の演技は、観客に新しい刑事の魅力を提供しました。

映画の中では、後方転回や、オフィスビル間を渡るロープにぶら下がるシーン、さらには横断歩道橋から走行するトラックに飛び乗るという大胆なスタントが次々と展開されます。また、ヘリコプターにぶら下がるシーンも盛り込まれ、千葉はスタントマンを使用せずに、陸海空全ての要素を取り入れた尽力を見せています。

ストーリー

物語は、日本最大の暴力団である八城会を制圧するために、警視庁が秘密捜査官・隼田志郎を送り込むところから始まります。隼田は過酷な状況下で数々の危機を乗り越えながら、徐々に八城会を追い詰めていきます。その過程で、陰謀や裏切りが交錯し、彼の潜入捜査は命懸けの戦いへと発展していきます。

キャスト

• - 千葉真一 - 隼田志郎

他にも数名の俳優が登場し、潜入捜査の緊迫感を増していきます。配役を担った俳優には、植田灯孝や岡野耕作など、名の知られた面々が揃っています。

スタッフ

この作品は、テレビドラマ『キイハンター』が非常に人気だった時期に制作されました。そして、千葉真一がそのドラマで演じていたスタントや擬斗の要素は、本作にも色濃く反映されています。さらに、ストーリーにはユーモラスな部分も交えられ、お色気やアウトローな特色が加えられています。

ロケ地としては、東京港の品川埠頭や横浜中華街、山手などが使用され、当時のリアリティを感じさせる背景が印象的です。

影響

千葉真一による片手で側転しながら拳銃を撃つシーンは、後の多くのアクション映画に影響を与えました。特に、1999年のアメリカ映画『マトリックス』におけるキアヌ・リーブスの側転しながらマシンガンを乱射するシーンは、その原点として知られています。

このように、『やくざ刑事』はただのアクション映画に留まらず、演出やストーリー展開の面でも新しい風を吹き込み、観客に強く印象を残す作品となりました。

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